(ブルームバーグ):9月2週(9ー13日)の日本株は株価指数先物などが最終決済日を迎えるため、荒い値動きとなる見込み。米国景気の減速や外国為替相場の円高推移を懸念した売りが続き、上値を重くしそうだ。半面、9月1週の大幅な調整相場により株価の割高感が薄らいだため、下値では業績面から評価した買いが期待できる。

13日は9月限の株価指数先物・オプションで特別清算値(メジャーSQ)の算出があるため、株式需給が大きく動きやすい。デリバティブ取引に関連した現物株の売買が増えて、株価指数は大きく変動する場面もあり得る。

米国や中国の景況指数が悪化し、主要国の株式相場は景気懸念を織り込む形で軟調に推移している。9月1週の東証株価指数(TOPIX)は週間で4.2%安と4週ぶりに反落した。

一方、底堅い企業業績を背景に下値では押し目買いが入る可能性がある。4日のTOPIXが3%を超える下落となり、株価の割高感は薄れつつある。TOPIXの予想株価収益率(PER、12カ月)は14倍近辺と、過去10年平均の14.6倍を下回っている。

株式市場は引き続き、米経済指標の影響を受けやすい。11日発表の消費者物価指数(CPI、8月)でインフレ沈静化の継続が確認できれば、一定の買い安心感につながりそうだ。食品とエネルギーを除いたコア指数は、ブルームバーグが集計したエコノミスト予想が前月比0.2%上昇と、前月と同じ伸び率になる見通し。

 

《市場関係者の見方》

三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフ・マーケット・ストラテジスト

大きな株価調整があった後でもあり、相場に不安定さは残るだろう。米景気に対する見方がまだ定まっておらず、市場のリセッション(景気後退)懸念が収まるまでには時間がかかる。日本株の足元の戻りはPERの上昇だけで切り上がっているため、持続性には難がある。日経平均株価は3万6000円-3万7500円の大きな値幅で推移しそうだ。

水戸証券投資顧問部の酒井一チーフファンドマネジャー

為替動向をにらみながらの荒い値動きになりそうだ。ドル・円が今期の輸出企業の想定レートより円高になってきたため、企業業績の上方修正期待はなくなりつつある。米景気が悪いのではないかとの不安心理が払しょくできない中では、円高による業績への悪影響を見極める必要があろう。メジャーSQで需給面の思惑も高まりやすく、先物主導で相場は不安定になりやすい。

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