(ブルームバーグ):米雇用統計で連邦準備制度理事会(FRB)が今月中に大幅な利下げを実施するとの観測が強まれば、円は8月の高値を試す可能性が高いと為替ストラテジストはみている。

マッコーリー・グループのストラテジスト、ガレス・ベリー氏(シンガポール在勤)は、雇用統計でサプライズがあった場合、円は為替相場の中心になると話す。失業率が4.4%に上昇すると、ドル・円にとって「大きな問題」になると述べた。

JPモルガン・チェースのストラテジストも、雇用統計によってFRBの政策金利引き下げ幅が25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)か、それとも50bpになるのかが決定し、円のさらなる上昇のきっかけになる可能性があるとみている。

円は6日午後の時点でドルに対して4日続伸し、一時142円台半ばに上昇した。金融市場が世界的に混乱した8月5日に付けた141円70銭の高値まであと1円に満たない。

 

JPモルガンは雇用統計がエコノミストの予想を下回り、50bpの利下げが実施されるとの見通しから、プットオプションを通じて既存の円ロングポジションをさらに積み増した。

予想される結果は、円を含む「調達通貨をさらにサポートするポジションを取る自信を与えてくれる」と、ストラテジストのジェームズ・ネリガン氏とパトリック・ロック氏は5日付リポートに記した。

ブルームバーグが集計したデータによると、オプショントレーダーは、円相場が今後1週間のうちに68%の確率で8月5日の円高水準を超え、35%の確率で140円を突破すると踏んでいる。

みずほ証券金融市場部の大森翔央輝チーフデスクストラテジストは、雇用統計が予想を下回れば、ドル・円は「容易に142円を割り込むだろう」とし、「勢いがあれば141円を試すのも現実的だ」と話す。

オーストラリア・ニュージーランド銀行の為替調査責任者、マハジャビーン・ザマン氏も同じ見方だ。予想を下回る弱いデータで、ドルは「8月上旬の安値を試す可能性が高い」と同氏は述べた。

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