誕生日でもない、母の日でもない、ある特別な花束。
企業と新入社員、そして親を花が橋渡し。
エンゲージメントを高める花が取り持つ力とは。
花キューピット・吉川登社長:
採用した企業は、その人を新入社員として迎え入れるわけだから、ご両親やお世話になった方々への「ありがとう」を誰が一番言うべきかと。
花キューピットがこの夏から展開する新サービス「初任給で花束を」。
社会人として歩み出す節目に、家族への感謝の思いを花に託して贈るというものです。
ただ、少し珍しいのは、花の贈り手が新入社員とその就職先の企業であること。
東京都内にあるPR会社「ネタもと」。
新卒採用を強化しているとあって、社員の平均年齢は27歳。
インナーブランディングを強化し、若手社員の離職率低下にもつなげたいと、このサービス導入を決めました。
「ネタもと」人事・採用責任者 加藤恭子さん:
新入社員が「ちょっときついな」と思ったとき、“親に相談する人が多い”と思っていて、そういうときに“親が会社のファン”になってくれていれば、「もう少し頑張ったらいいんじゃないか」とか、そういう離職率を下げたい意味でもすごく(メリットがあると)思っている。
本配属となって2週間目の大石桃菜さんは、入社後3カ月間の研修を終えるタイミングでこのサービスを利用しました。
入社1年目・大石桃菜さん(22):
私、山口(出身)だから、田舎側からしたら、いろいろあって「(東京は)不安、怖い」という印象が母はあったようですが…。
贈り先が遠方でも、花キューピットは全国約4000店が加盟する生花店のネットワークが強みで、届け先に近い店舗から直接届けることができます。
ピンクのバラで感謝を伝えたいという大石さんの今回の花束は5000円。
会社は福利厚生費として7割ほどを、残る3割は大石さんが負担しました。
誕生から入社までの日数を記したメッセージカードは、社員と会社の連名です。
離れて暮らす娘からの手紙も添えられていました。
大石さんの母・初美さん:
少しずつでも成長してくれているなと感じる。親のことまで心配して、気をつかってくれるというのは、なかなかない。
新卒社員の3割強が3年以内に辞めてしまうという昨今。
サービスへの問い合わせは増えているといいます。
花キューピット・吉川登社長:
「ウェルビーイング経営」というところで、「人をどう大事にするか」が今話題になっているし、費用もそれなりのコストをかけてリクルートしているので、長く勤めてほしい。費用対効果の点で、すごく意味があると思ってもらえているのではないか。
思いを託す花束が、いずれ会社の未来を担う力となるかもしれません。
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