3

 各地で長期間にわたって大雨被害をもたらした台風10号は、米や野菜の収穫に大きな打撃を与えています。スーパーマーケットでは、すでに「葉物野菜」の価格が値上がりしています。

■多くの場所で500ミリ以上の雨

元台風10号が各地に大雨 この記事の写真

 2日も、強い雨と雷に見舞われた群馬県。熱帯低気圧に変わった台風10号が、各地に大雨をもたらしました。

多くの場所で500ミリ以上降雨

 2日までの7日間に降った雨の量を見てみると、関東から九州にかけて多くの場所で500ミリ以上降っています。

■土砂崩れで…レモンの木流れる

神奈川・小田原市で8月平年比3.5倍の雨

 7日間で平年8月のおよそ3.5倍の雨が降った、神奈川県小田原市。市内のあちらこちらで土砂災害が相次ぎました。

 こちらの農家も畑の一部が崩れました。

土砂崩れでレモンの木流れる 「復活に10年」農家ぼうぜん 農家 加藤靖司さん
「(土砂で)木が3〜4本流されてしまった。80〜90キロのレモン(などのかんきつ類)は流された。せっかくここ1〜2年で収穫できる大きさまで育ってきたが、取り戻すまでに10年くらいかかる」 タマネギの種まき始めるも…

 これからタマネギの種まきを始めますが、土砂崩れの恐れがある畑は使わないことに。その結果、収穫量は1トン以上減る見込みです。

加藤さん
「かなり地盤的に安定したところだが、まさかこういうことが起こるなんて思っていなかった」

次のページは

■風で擦れた長ナス 傷で価格つかず?

■風で擦れた長ナス 傷で価格つかず?

長ナスの台風対策も…

 大雨が降り続いた、神奈川県綾瀬市の農家では…。

ほっこり農園 早川雅史代表
「葉っぱが大きくて、実に擦れてしまうと傷になってしまう。台風が来る前に、なるべく葉っぱを落として備えてきた」

 収穫時期を迎えている長ナス。事前に台風対策はしていましたが…。

長ナスに傷で価格つかず? 早川代表
「普段の収穫している量からすると、2割ぐらいは少し傷になったかな。中のおいしさは基本的には変わりがないが、売ってもなかなか価格がつかない」 秋野菜の苗植え2週間ほど遅れ

 秋野菜の苗植えにも2週間ほどの遅れが出ているといいます。

早川代表
「1週間くらいの雨が続いたことで、畑がぬかるんでしまっているので。なかなか植えたくても植えられない。本来、収穫が一番いい時期に野菜が育っていなくて、収穫ができずに、お客さんのところに野菜を届けられなくなることが今、一番心配な点ですね」

次のページは

■スーパーで「葉物野菜」激減 価格2倍も

■スーパーで「葉物野菜」激減 価格2倍も

スーパー「アキダイ」

 台風の影響は、都内のスーパーにも及んでいました。

アキダイ 秋葉弘道社長
「一番、今困っているのは、こちら葉物類ですね。産地が関東なんですけど。台風の影響というか、正確に言えば雨、台風のもたらした。(その影響で)流通量が激減している」 葉物野菜の流通量が激減

 大雨の影響で、小松菜、チンゲン菜、ホウレンソウなどの葉物野菜の流通量が激減。価格にもあらわれ始めています。

秋葉社長
「小松菜も80円とか100円ぐらいで販売できていたものが、(価格が)上がってきて40円ぐらい(値上がり)。チンゲン菜も50円以上、上がった。この辺も下手したら(価格が)2倍」 農水省の先月30日の発表では…

 農水省は先月30日、ホウレンソウ、ダイコン、ジャガイモ、ピーマンが、今月ひと月を通して高くなる見通しだと発表しました。

 今後、台風10号の影響が明らかになれば、野菜の価格はさらに上がる可能性があります。

 一方、今後の米の入荷状況については…。

「千葉県産の新米は注文通り」 秋葉社長
「米どころ新潟の生産者ときょう朝、連絡を取ったところ、順調みたい。新潟のほうは今回の台風で大ダメージを受けていない。その辺はホッとしている。きょうも千葉県産の新米、注文通り入ってきている。お客様に滞りなく販売できるかなという状況」

(「グッド!モーニング」2024年9月3日放送分より)

この記事の写真を見る
・カキの“生食用”と“加熱用”何が違うかご存じですか?「鮮度」ではないんです!実は・株価大幅下落で新NISA「損切り民」が続出?・高齢化団地の上下階「セット貸し」が満室 家賃5万円台で若い世代呼び込む・“安いバナナ”と“高いバナナ”…何が違う? 味ではない…高い値段の理由・“猛威”台風10号 農作物にも打撃 野菜農家「価格の上昇は必然」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。