クロマグロの漁獲枠を議論する国際会議で日本の漁獲枠拡大が合意されたことを受け、水産庁は8月29日、仙台市青葉区で漁業関係者を対象とした説明会を開きました。流通する量が増えることでクロマグロが身近な存在となるのか、関係者に聞きました。
青森や宮城など東北地方の漁業関係者が参加した水産庁主催の説明会。
水産庁 漁獲管理官 福井真吾さん
「太平洋クロマグロをめぐりまして、最近大きな動きがあったところでございます」
大きな動き。それは7月16日まで開かれていた、太平洋で獲れるクロマグロの資源管理について話し合う国際会議で、日本の大型のクロマグロの漁獲枠をこれまでの1.5倍、小型についても10パーセント漁獲枠を増やすことが合意されたのです。
これまでクロマグロは、過去数十年にわたり過剰な漁獲によって個体数が減少していましたが、漁業管理機関が国際的な漁獲規制を導入したことで、ここ数年で資源量が回復傾向となり、7月の国際会議で漁獲枠の拡大が決定しました。
8月29日の説明会では、漁獲枠が拡大することで懸念される報告義務違反などについて話し合われ、慎重な管理やモニタリングが必要であることが確認されました。
一方で消費者として気になるのが、クロマグロの流通量が増えることによる価格への影響です。
青森県の漁業関係者
「多少はあると思うが、本当においしいマグロは、値段は落ちないのでは」
宮城県定置網協会 泉澤宏会長
「一本釣りやはえ縄など伝統的な漁法でとっているものは一般的に単価が高いものですから、価格を押し下げるというふうにはならないと思う」
関係者は価格にはすぐには反映されないとの見通しを示しました。漁獲枠は12月に開かれる年次会合で正式決定され、2025年1月から適用される見通しです。
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