(ブルームバーグ):28日は投資家にとって重大な一日となるだろう。人工知能(AI)に必要な半導体を手掛けるエヌビディアが、米市場の引け後に四半期決算を発表する。市場の織り込み具合から判断すると、発表後の株価は上下いずれの方向にも約10%動く見通しだ。
時価総額にすれば約3100億ドル(約44兆6800億円)が創出されるか、消失するかの瀬戸際となる。その影響は市場全体のリスク志向に強く影響する。
指数ウエートでみたS&P500種株価指数の時価総額でエヌビディアは6%余りを占めており、「市場のトレンドやモメンタムを左右する部分としてますます大きくなっている」とノースウェスタン・ミューチュアル・ウェルス・マネジメントのマット・スタッキー氏は指摘。決算が予想を下回る、あるいは予想通りにとどまった場合は「リスクオフの環境になりやすいだろう」と述べつつ、「必ずしもローテーションの推進役にはならない」と続けた。
市場が張り詰めているのはまさにこの一点だ。エヌビディアとマイクロソフト、アップルなどマグニフィセント・セブンと言われる大型ハイテク株が失速し、その他のセクターにシフトする動きがいつまで続くのかという疑問が浮上している。過去数週間にみられた動きの多くは、米利下げ期待がその要因だった。経済成長が持続する限り、利下げはレバレッジの高い企業への追い風になる。
「市場にマグニフィセント・セブンがなかったと仮定すると、年初からのファンダメンタルズはどうなっていただろう」とスタッキー氏は問いかける。
「年初からの業績は7%ほど下方修正されていたはずだ。市場全体では横ばいだった。つまりエヌビディアがなかったら、S&P500種企業の業績ガイダンスはファンダメンタル的サポートを幾分か失っていた」と述べた。
実際のところエヌビディアは過去数年において、予想を大きく上回る信じがたい力を見せつけてきた。そのために投資家は株価下落よりも、3100億ドル規模の株価上昇の方に身構えている。
原題:Nvidia’s Expected $310 Billion Move Is Pivotal: Surveillance(抜粋)
--取材協力:Vildana Hajric.
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