(ブルームバーグ):米金融当局の政策転換を巡る投資家の高揚感が薄れるにつれ、対ドルで急伸している東南アジア通貨の勢いが失われる可能性があることを、少なくとも一つの注視すべきモメンタム指標が示唆している。

ブルームバーグの集計データによると、東南アジア通貨の相対力指数(RSI)は80を突破し、一般的に買われ過ぎと見なされる水準を大きく上回った。9月に米利下げが実施されるとの観測が広がる中、東南アジア通貨は今月に入り地域別パフォーマンス番付で上位4位を占めていた。

DBSグループ・ホールディングスは27日のリポートで、シンガポール・ドルは短期的に値固めの展開となる公算が大きく、他のアジア通貨と同様に「買われ過ぎ」だと指摘した。

タイ・バーツ、マレーシア・リンギット、インドネシア・ルピア、フィリピン・ペソ、シンガポール・ドルから成るブルームバーグの指数は8月に入り4%余り上昇し、月間ベースで少なくとも2015年以来の好パフォーマンスを記録。アジア通貨は米利下げ期待を背景に軒並み上昇したが、東南アジア通貨以外は比較的上げ幅が小さく、ブルームバーグ・アジア・ドル指数のRSIは69だった。

キャピタル・エコノミクスはリポートの中で、「アジア通貨の大半は、最大の上昇局面が終わったとしても、時間とともにさらに値上がりすると予想している」としながらも、「相対的な金利による押し上げは恐らく一巡したと考えてる」と説明した。

原題:Momentum Gauge Signals Risk to Southeast Asia Currency Rally (1)(抜粋)

--取材協力:Marcus Wong.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2024 Bloomberg L.P.

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。