20日も東京都心で35℃近くを記録するなど、全国的に猛烈な暑さが続いています。この猛暑の影響で出荷が始まった秋の味覚・梨に異変が起きています。
■梨の表面が変色…「焼け梨」被害が増加
20日、千葉県市川市の梨農園を訪れると多くの梨が実っていました。しかし、よく見てみると、異変が起きています。
一部が赤く変色する梨 この記事の写真 梨農家 板橋健一さん「これが青い方ですね。これが赤くなっている方。この部分が焼けているのかな。もっと赤くなります、ここだけ先に」
強烈な日差しと猛烈な暑さで梨の表面が変色する「焼け梨」と呼ばれる被害が増えているといいます。
黒く変色した焼け梨 通常の梨と焼け梨を比較ひどい場合には黒く変色することもあるこの「焼け梨」。見た目が悪くなるだけでなく、変色した部分だけ熟すのが早くなり、商品価値が大きく低下してしまいます。
板橋さん「葉には十分、太陽が当たってくれないと光合成をしてくれないので。栄養分も作ってくれないし、困るんですけど。実に直接、日が当たってしまうというのは何でもほどほどはいいんですけど、そううまくはいかない」
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■カメムシ被害 鳥取でも深刻…平年の20倍も■カメムシ被害 鳥取でも深刻…平年の20倍も
「焼け梨」に加えて、梨に打撃となっているのが、カメムシの大量発生です。
カメムシが大量生産し被害に 板橋さん「金平糖じゃないけど、ぺこぺこへこんでいるのが分かります?1カ所、吸われているだけなんだけど、これでも、もう商品には到底ならない」 カメムシにより実がくぼんだ梨
カメムシがくっ付くと梨の水分を吸い取ってしまうため、実がくぼみ、中身がスポンジ状になってしまうといいます。
この梨園では、焼け梨とカメムシの被害で、収穫量が例年と比べて3割ほど減る見込みだといいます。
鳥取県でも被害は深刻です。先月の調査では、カメムシによる被害は、平年の20倍に上っているということです。
戸板主任研究員「暖冬で越冬量が多かった」 鳥取県園芸試験場 戸板重則主任研究員「驚いています。昨年の9月から10月にかけて非常に大量に発生していました。暖冬ということで(カメムシの)越冬量が多かったことが原因と思う」
猛暑とカメムシのダブルパンチに見舞われた梨ですが、出来自体は例年以上に甘味が強く上々だといいます。
「安心してご購入いただきたい」と話す板橋さん 板橋さん「梨の作柄自体はとても良くできている年なので、安心して皆さん、ご購入いただきたい」
(「グッド!モーニング」2024年8月21日放送分より)
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