(ブルームバーグ):金鉱株がついに輝かしいリターンを上げるとの期待が高まっている。
金鉱株は長年にわたり低迷してきたが、現在は他の資産をアウトパフォームしている。経済リスクと世界の中央銀行による購入が重なり、金スポット価格が最高値を更新しているためだ。金鉱株の上昇は、連邦公開市場委員会(FOMC)が近く金利を引き下げるとの見方に起因している。
シティグループのアナリスト、アレクサンダー・ハッキング氏はインタビューで「過去3年、5年、10年、15年を見てみると、金鉱株ではなく、金を保有していた方が良かった」と述べ、長年にわたり金スポット価格や株式市場全体に後れを取っていたと指摘した。
だが、投資家が金鉱株に投資するようになり、状況は一変した。ヴァンエック金鉱株ETFは年初来で26%上昇し、S&P500種株価指数の約18%高を上回っている。多くの大手金生産者が本社を置くトロントでは、26銘柄からなるS&P・TSX金指数が30%上昇し、アイアムゴールド(109%)やニュー・ゴールド(89%)、オシスコ・マイニング(79%)がけん引役となっている。
中銀の購入で、金相場が最高値に上昇する中、金鉱株が急騰。背景には、金価格の上昇によってキャッシュフローが増加し、それが配当金や自社株買いといった株主還元、あるいは負債返済の促進につながるとの見方がある。
シティは、FOMCの利下げに伴い、金価格がさらに上昇し、来年には1オンス=3000ドルに達すると予想している。
実際、ウォール街のストラテジストは、経済に対する無数のリスクと、数カ月後に迫った米大統領選を巡る不透明感を踏まえ、金と金鉱株の両方が上昇を続けるとみている。
バンク・オブ・アメリカ(BofA)の投資ストラテジスト、マイケル・ハートネット氏は14日付のリポートで「2024年の投資で金はスターだ」と指摘。2020年以降に最も高いリターンをもたらした資産クラスとして、米国株とともに金を挙げた。これまでのところ、2020年代は「パンデミック、戦争、過剰な財政出動の10年であり」、インフレの再来と量的緩和の終焉(しゅうえん)でもあったと記述している。
原題:Gold Equities Finally Outshining Bullion, S&P 500: Taking Stock(抜粋)
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