福島県二本松市にあるサクラの名所「合戦場のしだれ桜」。「三春の滝桜」の孫桜とも言われるこの桜は、滝のように流れ落ちるような薄紅色の花を咲かせる。美しい花々に、いま異変が生じている。

<面影がまるっきりない>
「緑の葉が少なくなっているので、枯れがひどく」と話すのは、合戦場のしだれ桜保存会の山崎清志会長。合戦場のしだれ桜のまわりには、枯れ落ちてしまった枝もある。
地元の保存会は定期的に栄養剤の散布を行い、サクラを守る活動を続けている。
山崎会長は「全盛期と比べれば、寂しいというか悲しいというか。面影がまるっきりないので」と落胆する。

<樹齢200年 次第に衰えが>
樹齢・約200年とされる「合戦場のしだれ桜」は、「地域に春を運ぶ桜」として長年親しまれてきた。
しかし、保存会によると10年ほど前から枯れた枝が目立ちはじめ、花の数や枝の広がりに衰えが見え始めたという。樹木に栄養を送っている根に、異変が生じていると考えられている。

<サクラを救うために>
保存会は、市の補助金を活用しながら活動を進めているが、土壌の改良などのための資金が足りず、2024年7月からはクラウドファンディングもはじめた。
山崎会長は「がっかりしてばかりでは、いられない。回復していけるように我々が努力しないと、サクラも待ってくれない」と話した。

保存会では、集まった資金などをもとに今後3年間で集中的に回復事業を行う計画だ。

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