(ブルームバーグ):中国から欧州連合(EU)への電気自動車(EV)流入が7月に鈍化した。EUは同月から中国製EVに追加関税を課している。

EU加盟国のうち7月のデータを報告した16カ国の結果をまとめたデータフォースの調査によると、比亜迪(BYD)や上海汽車集団 (SAICモーター)傘下のMGなど中国の自動車メーカーがEUで先月新たに登録したEVの台数は6月から45%減少した。

この落ち込みは、7月5日に追加課税が実施される前にEVをディーラーに届けようと自動車メーカーが急いだために誇張された可能性もある。独立系自動車アナリストのマティアス・シュミット氏は、中国メーカーが在庫を空にするため6月に大きく動いたと述べた。

EUは、国家補助の恩恵を受けているバッテリー技術などの主要分野で構造的優位性を保つ中国の自動車メーカーから、域内の自動車産業を守るため中国から輸入するEVに課す関税を最大48%まで引き上げた。

政治的な緊張が続く中で問題解決に向けた協議が行われているが、中国側はEUに報復すると脅している。

データフォースの数値に基づくと、EUのEV市場に占める中国勢のシェアは7月時点で8.5%と、前年同月の7.4%から上昇した。

BYDは7月にEU16カ国で、前年同月に比べ3倍のEVを販売。一方、MGは前年同月比で20%減少した。

データフォースのアナリスト、ジュリアン・リッツィンガー氏は、中国ブランドの落ち込みを「BYDの伸びが本当に和らげている」と指摘した。

原題:Chinese EVs Lose Ground in EU After New Tariffs Take Effect(抜粋)

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