(ブルームバーグ):バイデン米政権は16日、 米テキサス・インスツルメンツ(TI)がCHIPS・科学法から16億ドル(約2400億円)の補助金と30億ドルの融資を受けると発表した。
商務省の声明によると、今回の支援は2029年までに総額およそ180億ドルを投じるプロジェクトに充てられる。これにはユタ州の1工場、テキサス州の2工場が含まれる。この取り組みにより、製造業で約2000人、建設業で数千人の雇用が創出される見通し。
TIはテキサス州シャーマンでさらに工場2カ所を建設するなど、両州で合計およそ400億ドルを投じる計画だ。これらの工場の稼働は2030年以降になる見通し。
CHIPS法に基づく資金の大半は、インテルや台湾積体電路製造(TSMC)などが手がける最先端チップの生産支援に充てられる予定だが、TIなどが生産する旧型半導体(レガシーチップ)向けにも最低20億ドルを確保するよう定めている。今回の発表で、米政府はこの基準を満たした。レガシーチップ向けではTIのほか、グローバルファウンドリーズが15億ドルの補助金を受け取る。
レガシーチップは、スマートフォンから冷蔵庫、兵器システムまであらゆるものに搭載されており、世界経済にとって不可欠な存在だ。中国が野心を強めている分野でもある。米国と欧州連合(EU)は、中国がレガシーチップの製造工場に巨額の資金を投入していることに危機感を募らせており、バイデン政権は5月、中国製部品への関税を2倍の50%に引き上げると発表した。
原題:Texas Instruments Wins $4.6 Billion in Chips Act Grants, Loans(抜粋)
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