(ブルームバーグ):15日の米国債市場では利回りが上昇。米経済指標が堅調な内容となり、年内の積極的な利下げ観測が後退した。

金融政策に敏感な2年債利回りは一時16ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し4.12%を付けた。7月の小売売上高が市場予想を上回る伸びとなり、先週の新規失業保険申請件数が7月上旬以来の低水準となったことに反応した。

9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)会合での大幅な利下げ観測は後退し、同会合での利下げの織り込みは30bpを割り込んだ。年内の予想利下げ幅は92bp。この日の経済指標発表前は100bpを上回っていた。

今週の債券利回りの激しい動きは、来月の開始が予想される米金融当局の金融緩和サイクルで、最初の利下げ幅が25bpとなるか50bpとなるかを巡り、市場で幅広い議論が交わされていることを反映している。

ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントでマルチセクター債券投資を率いるリンゼー・ロスナー氏は「9月が近づく中、市場はあらゆるデータに注目し、それらに基づいて取引している。数カ月前には米金融当局の政策転換が実際にいつ起こるのかという疑問があった」と指摘。「連邦準備制度が何をし得るかについての意見の分布が広いため、このようなボラティリティーを目にしている」と述べた。

7月の小売売上高は予想を上回る伸びを示し、物価高や金利上昇にもかかわらず、消費者の回復力が示唆された。一方、新規失業保険申請件数は2週連続で減少し、7月上旬以来の低水準となった。

債券市場の関係者は小売売上高が低調な数字となると想定していた。物価上昇圧力が弱まっていることを示唆するインフレ指標が続いていたことで、2年債利回りは4%を下回る水準で推移していた。

原題:Traders Shred Bets on Big Fed Rate Cuts on Resilient Economy (1)(抜粋)

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--取材協力:Edward BolingbrokeCarter JohnsonAlice Gledhill.

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