北陸新幹線・敦賀ー新大阪間の建設促進を図る自民・公明与党の整備委員会が7日、東京で開かれ、国交省から駅位置や「小浜・京都ルート」3案の詳細が説明されました。福井テレビの取材では、小浜市内の新駅は、舞鶴若狭自動車道の小浜インターチェンジ近くに設置されることが分かりました。
 
北陸新幹線沿線の与党議員で構成する整備委員会の委員長は、京都府選出の西田昌司参議院議員です。県内からは滝波宏文参議院議員が事務局次長に、福井1区の稲田朋美衆議院議員が委員に就いています。7日は、2024年度2回目の会合が開かれました。
  
西田昌司委員長:
「詳細な駅位置、ルート、令和7年度中の着工に向けたスケジュールについて国交省、鉄道運輸機構から説明してもらう」
 
そして、国交省から新駅の位置や「小浜・京都ルート」の3つの案が示され、概要が説明されました。
 
委員会で示された敦賀以西のルート案と駅の位置です。
 
この中で、まず小浜市内の新駅については、福井テレビの取材によると、JR東小浜駅の西側で小浜インターの南北約500メートルに建設され、新駅の北東には保守基地が置かれるとみられます。
 
また、新大阪までのルートは、いずれも小浜から南下し、京都市街に近づくと、▼京都駅の地下を南北に通る案、▼東西に通る案、三つ目が▼京都駅の西側約5キロにあるJR桂川駅付近の地下に新駅を作る案の3案が示されました。そこから先は、いずれも京田辺市の新駅から新大阪駅へとつながります。
 
▼京都駅の南北を通る案は、総延長144キロで工期は25年と最も短いものの、建設費は3兆9000億円と最も高額です。また、▼東西に通る案は総延長146キロで、工期は28年と最も長く、建設費は3兆7000億円。一方、▼桂川駅付近の地下に新駅をつくる案は総延長139キロで、工期は26年、建設費は3兆4000億円と最も抑えられています。
 
ただどの案も、8年前に与党が小浜・京都ルートを決定した際の試算からは、資材費の高騰や建設業の人手不足などにより、工期が10年以上延び、建設費は1.5倍以上に跳ね上がった形となりました。
 
終了後、取材に応じた西田委員長は「(国交省から)本年中には詳細な駅位置・ルートを確定させる必要があると説明があった。委員会では、一日も早い全線開業を実現できるよう駅位置・ルートの絞り込みをはじめ、引き続きしっかりと議論したい」とし、2025年度の認可・着工については「来年度の政府予算の概算要求について、金額を具体的に示さない事項要求の検討を指示した」と述べました。

7日の与党整備委員会で具体的な3つの案が示され、本格的な議論がスタートしました。しかし、建設費が膨大に膨らみ工期も伸びたことで、地元負担の増大や費用対効果の低下など解決すべき課題が残されており、来年度の認可・着工に向けては、スピード感をもって議論を進めていくことが必要となります。

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