6日午後1時過ぎの東京・大手町。

歴史的な株価大暴落から一夜。

投資の相談窓口には、自分の資産をどうすれば守れるのか、不安がる個人投資家が訪れていました。

個人投資家:
先週からどんどん暴落しちゃっているけど、どうかしら。
相談員:
ご心配だとは思うんですけど、あまり焦らずに長期で見ていただければ。

NISAで、コツコツ投資を続けてきたという女性。
今回の大暴落は、初めて経験するまさかの事態だったと話します。

NISA投資家(50代):
想定外。下がっても(平均株価)3万5000円までかなって。想像してなかった。

5日、過去最大の下落幅を記録した、日経平均株価。

個人投資家からは、「異常」「ブラックマンデーを超えることはないと思っていたけど、それ以上に超えたから、今回はなんて呼ぶんだろう」などといった声が上がりました。

都内の証券会社は、6日も朝から問い合わせの電話が鳴りやまない事態となっていました。

個人投資家(70代):
だいぶ減りました、40万円くらい。とにかく(画面の)青いのが買ったときより下がった(銘柄)。

個人投資家(30代):
投資信託の合計の前日比で、マイナス11万円。

「貯蓄から投資へ」を掲げる岸田政権の目玉政策が、2024年から始まった「新NISA」です。

岸田首相:
新NISA開始後半年で、近年の年間買い付け額5兆円を大幅に上回る、10兆円規模になる見込みが示されています。

個人投資の裾野が急速に広がる中、なぜ歴史的な株価大暴落は起きたのでしょうか。

専門家が指摘するのは“3つの要因”。

まず1つ目が、“アメリカの景気悪化懸念の高まり”です。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 上席投資戦略研究員・大西耕平さん:
先週発表された製造業の景況感を示すような指数。それからアメリカの雇用統計、失業率が上昇したということを受けて、景気後退に陥るのではと懸念が出てきた。

アメリカの経済指標によって高まった不安心理。
その影響は、韓国や台湾などにも及び、世界同時株安となりました。

中でも、日本の株式市場では2つ目の要因である“円高の進行”が株価下落に拍車を掛け、さらに、その動きに対する過剰な反応として、3つ目の要因となる“パニック売り”が広がったというのです。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券 上席投資戦略研究員・大西耕平さん:
日経平均株価が4000円以上も1日で下落するのは、さすがに売られすぎ。投資家さんがびっくりしちゃって“パニック売り”が重なったというのが背景にあった。

岸田首相は、訪問先の広島市で記者会見を開き、株価の動きについて「冷静に判断していくことが重要」だと述べました。

岸田首相:
きょうも株価、また動いております。こうした状況を冷静に判断していくことが重要であると考えています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。