政府は来年度予算案の編成に向けて、各省庁が予算要求を行う際の基本方針を閣議で了解しました。少子化対策や賃上げなどの重要政策について、特別枠を設けます。
鈴木俊一財務大臣
「持続可能な成長の実現に向けた経済構造の強化を進め、日本経済を新たなステージへと移行させるべく、予算の中身を大胆に重点化したいと考えております。重要課題に着実に取り組むとともに、これまでの歳出改革努力を継続することによりまして、経済成長と財政健全化をしっかりと進めていきたい」
閣議で了解された来年度の予算案の概算要求基準では、年金や医療などの社会保障費について、高齢化などに伴う自然増を考慮し、今年度の予算額から4100億円の増額に抑えるよう求めました。また、政策によって増減できる「裁量的経費」は、今年度予算のおよそ14兆円から10%減らすよう求めています。
一方で、政府が重要政策と位置づける少子化対策や賃上げの実現などについては4兆2000億円規模の特別枠を設け、予算要求を認めます。また、物価高対策などについて、具体的な金額を示さずに要求できる「事項要求」も認める方針です。
各省庁は財務省に対し、8月末までに予算要求を提出しますが、厳しい財政状況が続く中で鈴木財務大臣は「事項要求が増えたことが予算の膨張に必ずしもつながるわけではない」と述べました。
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