那覇市の沖縄ツーリスト(OTS、東良和会長)は、男性と女性で色が違う夏の制服を46年ぶりに刷新し、8月1日から新制服の着用を開始する。アーティストの照屋勇賢さんがデザインを監修した。ペットボトルを再利用した素材を活用するなど環境に配慮している。ジェンダーレス化やSDGsへの対応を目指す。

 沖縄ツーリストは創立65周年事業の一環として、社内プロジェクトチームを立ち上げ、新制服導入プロジェクトをスタート。沖縄県内の小学生~大学生までを対象に、デザイン原案を募集し、計376人、436件から、伊佐のりかさんのデザインが選ばれた。

 照屋勇賢さんの監修のもと、沖縄らしさをふんだんに描いた伊佐さんのデザインのほか、旧制服の青いグラデーションや赤いハイビスカスを生かした。

 企業の制服デザインは初挑戦だった照屋さんは、胸ポケットは別に、腰のあたりに羅針盤を入れるサイズの小さなポケットをあしらい、「物語性」を付け加えた。旅をサポートする意味に加え、社会が直面しているジェンダーなどの課題に沖縄ツーリストが率先して向き合う姿勢や気持ちを込めた。

 これまでの夏服は、創立20年の1978年に導入。男性は青、女性は赤と、性別で色が決められていて、選択できなかったことや、女性の制服だけアイロン掛けが必要で負担感があったという。

 国内個人型企画室の神谷香菜マネージャーは、将来子どもたちにも選ばれる企業であり続けたいという思いも表現していると説明。「沖縄の青い海や空などたくさんの要素を込めている。沖縄の未来を考えてもらうきっかけになれば」と期待を寄せた。 (政経部・金城紅映)

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