神奈川県の小田原で、例年の50倍のブリが水揚げされている。そして静岡県の駿河湾でも、長く不漁が続いていたサクラエビが今、豊漁だという。
■ブリの水揚げ50倍に 漁協「もうウハウハ」
小田原の春ブリ この記事の写真定置網にかかっている大量の大きな魚。勢いよく跳ねながら、水面を覆いつくしている。その正体はブリだ。
小田原ではブリが異例の大豊漁今シーズン、小田原ではブリが異例の大豊漁。1本あたりの重さは平均7キロで、通常一日の漁獲量は100本〜300本ほどだが、今年は2000本以上の日が相次いでいるという。
さらに今月はじめには、およそ5000本のブリが水揚げされ、例年の“50倍”近い漁獲量を記録した。
歓喜の声(1) 岩漁業協同組合 青木勝海組合長「最高でしょ、約50年(船を)出しているけど、今年が初めて。ブリは別格だから、出世魚だからさ、魚の王様だ」 歓喜の声(2) 小田原市漁業協同組合 高橋征人組合長
「もう気持ち的にはウハウハ。ブリが入ってくると何百万円になりますから、(ブリが)ないと何十万円でしょ、だからそれだけ違う」
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■漁獲量の低迷から一転…街は“ブリフィーバー”■漁獲量の低迷から一転…街は“ブリフィーバー”
ブリと言えば富山県の「ひみ寒ブリ」など“冬が旬”のイメージだが、小田原でとれるのは「春のブリ」だ。
小田原は、かつて豊富な漁獲量を誇っていた実は、小田原は明治時代から続くブリの漁場で、かつては「ブリ御殿が建つ」と言われるほど豊富な漁獲量を誇っていた。しかし、1954年のピークを境に、年々漁獲量は減り続け低迷。それが一転、今年は豊漁となり、街は“ブリフィーバー”。
刺し身食べ放題に客殺到こちらのお店「おさしみ天国・小田原海鮮ゴーゴー」では、制限時間59分の「おさしみ食べ放題」に客が殺到。店員は、補充に追われる事態となった。
東京からの客「(Q.1人でこんなに食べる?)ブリのために来ましたので」 店員
「きのう、めちゃくちゃ早かったです。5分も持たなかったです」
“ブリフィーバー”は、街のスーパーでもみられた。
店員「ブリはいかがですかー。小田原産のブリ、きょう入荷しましたよ」 スーパーでは、ブリを“1本丸ごと”販売
この店「クイーンズマートヤオマサ」では、とれたてのブリを1本丸ごと販売。値段は、その日の漁獲量によって変わるが、この日(16日)は1本およそ4000円。
ヤオマサ鮮魚バイヤー 内藤淳一朗さん「きょうは比較的安い、高いと1万円ぐらいいっちゃうので。(水揚げが)少なければ高くなるし、多ければお安くなる」 客
「毎週買いに来てます。今年5本目くらいです。脂ノリノリでめっちゃうまいですよ」
■小田原の「春ブリ」 大復活のワケ
例年より“50倍”近くの豊漁となった、小田原のブリ。なぜ、突然豊漁となったのか?
ブリ大復活のワケ 東海大学 山田吉彦教授「黒潮大蛇行の影響で、かなり黒潮も流れが強くなっている。今はちょうど伊豆半島から相模湾に向かって流れついています」
水温が高くなり餌(えさ)となるイワシなどの小魚が増加。その小魚が黒潮の強い流れにのって相模湾にやってくるため、後を追うようにブリもやってくるのだという。
山田教授「一度(相模湾に)入ってきたブリが、湾の中をぐるりぐるりと回っているような状態になっている。おそらくもう1、2年これが続くだろうということが考えられます」
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■サクラエビも豊漁「十数年ぶり」■サクラエビも豊漁「十数年ぶり」
静岡県では「サクラエビ」豊漁神奈川県のお隣、静岡県ではサクラエビが豊漁。本来、サクラエビの最盛期はゴールデンウィークの時期だが、今年は早くも大漁となっている。
美しい透明なさくら色で、その艶やかな姿から「駿河湾の宝石」とも称される「サクラエビ」だが、近年は不漁が続いていた。
倉庫に所狭しと並ぶサクラエビしかし今年は、それが1杯15キロのカゴおよそ3000杯分が水揚げされるなど、倉庫にはサクラエビが所狭しと並んでいる。
豊漁は「十数年ぶり」 静岡県桜えび漁業組合 實石正則組合長「4月にこれだけの量があがるということは十数年ぶりのことで。だんだん昔に戻ってきたのかな、資源も戻ってきているかなという明るい兆しを本当に感じています」
■サクラエビなぜ復活?「漁獲制限を…」
静岡の春の風物詩「サクラエビの天日干し」富士山をバックに辺り一面が、ピンク色に。静岡の春の風物詩「サクラエビの天日干し」だ。サクラエビの復活に作業を行っている加工業者は次のように話す。
ヤマト食品株式会社 望月和志専務取締役「商売を今後、本当に続けていいのかっていうところまで考えた。(今年は)サクラエビがすごく多い状態。非常に期待できるんじゃないかなというふうに思っていますね」 サクラエビ漁獲量
実は、サクラエビの漁獲量は2018年を境に激減。記録が残る1974年以降で最低の312トンになり、その後も減少。本来サクラエビで埋まるはずの干し場が、この有り様。
激減によりサクラエビで埋まるはずの干場が…しかし今年は、去年の同時期と比べて2倍以上の漁獲量で、以前の状態に近づいている。
激減したサクラエビは、なぜ復活したのか?
漁獲量が復活したワケ 山田教授「(2018年以降)駿河湾のサクラエビ不漁がずっと続いていたために、漁獲制限をかなりかけてきました。計画的に漁獲を進めてきたために、サクラエビが増えやすい状況になってきたため、とりやすい状況になってきた」
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2024年4月19日放送分より)
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