これまでエサなどの高騰が影響し豚肉の価格が上がっていましたが、猛暑の影響でますます高くなっています。

■猛暑で豚肉価格が高騰「去年の猛暑で豚が少ない」

加藤シルビアキャスター:
猛暑の影響で豚肉の価格がますます高くなっていますが、こんな理由もあるそうです。

愛知県豊橋市にある「鳥市精肉店」の市川勝丸代表によると、「去年の猛暑で(豚の)子作りに影響が出て、国内の豚が少なくなっている」ということです。

豚が出荷されるまでの過程を見ていきます。

まず、出産から出荷までの生育される期間は、約6か月~7か月かかります。交配から出産までは約3か月半かかるので、交配から出荷まではトータルで約9か月~10か月かかります。

これを逆算してみると、現在出荷されている豚は2023年9月ごろに交配された個体です。2023年9月ごろは猛暑の影響で妊娠率が低かったため、生まれた個体が少なく、生産量も少なくなったということです。

市川代表は「これだけ猛暑が続くと、来年も高騰してしまう可能性が高い」と話しています。

ホラン千秋キャスター:
毎日のように「あれが高くなる」「これが高くなる」というようなニュースを伝えていますが、安いものを組み合わせてどのようにやりくりするかというのは、皆さん悩みの種ですよね。

歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
当たり前のことですが、動物や植物は環境の変化によって変わります。それを考えると、何千年単位で見ても稀有な天候の変化、暑さなので、色々なところに影響が出るんだと思います。

井上貴博キャスター:
豚肉に限らず、様々なものが円安の影響で値上がりする。本来であれば、商品価格に転嫁できるのが自然だと思いますが、皆さんの身を削る状況が続くと、飲食店の経営が立ち行かなくなるのではないかと思ってしまいます。

今村さんは経営の観点から見て、人件費高騰や物価高の中でどのように会社を立ち行かせるのがいいと思いますか?

今村さん:
僕は本を売ることを生業にしていますが、価格転嫁をするのが怖いです。実際どのぐらいお客さんが離れるのかどうかわからないので、チキンレースのように探り探りだと思います。

もうここまで全てが上がってくると、一斉にというわけではないですが、転嫁していって、所得が上がっていくという好循環になっていくきっかけをどこがスタートでやっていくかという問題だと思います。

ただ、中小企業をきっかけにするというのはなかなか難しいと思います。

■牛肉・鶏肉の価格は?

加藤キャスター:
豚肉の価格は上がっていますが、牛肉と鶏肉の価格は今のところは例年並みです。

ただ、「鳥市精肉店」の市川代表によると「2023年の記録的な猛暑では、牛や鶏が死ぬなど各地の農家で経営難に。2024年も猛暑が長続きすれば、経営が苦しい農家は廃業してしまうおそれも」。結果として流通量が減ってしまうと、価格が高くなってしまう可能性もある、ということです。

ホランキャスター:
暑さによる影響もありますし、鳥の場合は感染症の影響もありますし、生産者からすると、どの季節も油断できないんだなと思います。

今村さん:
農業だけでなく、畜産や酪農の方々もとても大変だと思います。

このような影響が出て、初めて事の深刻さを実感しますが、普段から消費や価格転嫁を吸収できるような幅を作っていくというのは必要だと思います。

井上キャスター:
第一次産業の方々が大変な思いをして、そこにしわ寄せが行くと、大手しか残れず、中小企業がどんどん淘汰されてしまうということになりますから、行政含めて何かできることをしていくということになるのかもしれません。

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<プロフィール>
今村翔吾 さん
「塞王の楯」で第166回直木賞受賞
歴史・時代小説家
30歳までダンス講師

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