(ブルームバーグ): 今年に入り米国株の大幅上昇をけん引してきたハイテク大手の株価に対して、にわかに高値警戒感が強まっている。足元ではエヌビディアといった銘柄の下落に備える動きが目立ってきた。

  市場データとストラテジストの分析によると、エヌビディアを含むハイテク大手やナスダック100指数が下落した場合にプロテクションを提供するオプションの購入が増えている。旺盛な需要から、 エヌビディア株の10%下落に備える1カ月物のプットオプションのコストは、10%上昇を見込むコールオプションと比べて1月以来の高水準にある。

  同じく、ナスダック100指数に連動するインベスコQQQトラスト上場投資信託(ETF)の「プットプレミアム」も4月以来の高水準だ。

エヌビディアの1カ月物10%プットスキューは1月以来の高水準出所:ブルームバーグ

  ヘッジコストは7月初旬からじわり上昇し、大規模なシステム障害の発生や貿易制限リスクへの懸念からハイテク株が急落した先週に加速した。利益の伸び鈍化が見込まれているハイテク決算の発表を控えたタイミングとも重なる。

  アップル、マイクロソフト、エヌビディア、アルファベット、アマゾン・ドット・コムのハイテク5社は、比較対象である前年同期が好調だったことで厳しいベース効果に直面する。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によると、同グループの4-6月利益は前年比29%増となる見通し。引き続き堅調なものの、過去3四半期からは伸びが縮小する。また投資家にとって、決算発表後の株価反応は依然として大きな波乱要因だ。

  インタラクティブ・ブローカーズのチーフストラテジスト、スティーブ・ソスニック氏は「利益やガイダンスが市場予想を上回ったとしても、市場はそれ以上のものを期待している可能性があり、大きなリスクとなる」と述べた。

原題:Traders Hedge Against Possible Big-Tech Declines: Taking Stock(抜粋)

--取材協力:Jeran Wittenstein、David Marino.

More stories like this are available on bloomberg.com

©2024 Bloomberg L.P.

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。