ネット通販大手のアマゾンが医師が処方する薬=「処方薬」を自宅に届けるサービスを始めました。ただ、街の薬局がなくなるのではとの不安の声も聞かれます。

■アマゾンで処方薬が買える 配送の時間は? 料金は?

良原安美キャスター:
ネット通販大手のアマゾンは、日本で医師が処方する薬=処方薬をオンラインで注文し、自宅に届けるサービスを23日から開始しました。

調剤薬局大手の「アイングループ」や大手ドラッグストア「ウエルシア」「クオール薬局」「トモズ」などの薬局と提携し、利用者は専用のアプリを登録します。

SNSでは期待する声がありました。
「使い慣れているAmazonなのは助かる」
「薬局って待たされるからなぁ」
「花粉症の薬はAmazonで購入。今後は処方薬も普通に買うのかな」

利用方法は、まず医療機関で対面・オンラインで診察を受けて電子処方箋を受け取ります。紙の処方箋では、サービスを受けられませんので注意をしてください。

その後、アマゾンのアプリに受け取った電子処方箋を登録し、薬局を選択します。薬剤師はオンラインで処方薬の飲み方や注意点などの説明を行い、処方薬が患者の自宅まで配送される仕組みです。

配送は薬局が提携している配達業者が配送するため、詳しい配送時間についてはまだわかっていません。配送料金は業者によって異なり0円~600円程度で、薬局を選択する際に配送料金が提示されます。

置き配は指定できませんが、子どもの薬は親のアカウントから注文、配達が可能だということです。

■電子処方箋の普及で薬剤師が減る?アメリカでは偽造や転売問題も

便利なサービスである一方、問題点も抱えています。日本医師会や総務省の資料によりますと、現在の普及率は、▼電子処方箋(病院)が1.5%、 ▼オンライン診療などが15%ですが、今後普及する可能性が高いということです。

流通アナリストの渡辺広明さんによりますと、「コストなどの理由でシステムを導入できない中小の病院・薬局が淘汰される可能性があり、そうなると近所のかかりつけ医が減り、対面で相談できる機会が減少する可能性もある」ということです。

井上貴博キャスター:
便利になる一方で、薬局や薬剤師の仕事が減る可能性がありますね。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
電子処方箋が今後どのくらいのペースで普及していくのか気になりますね。

ホラン千秋キャスター:
電子処方箋をどのように受け取るのか想像がつかないです。

良原キャスター:
アメリカではAmazonファーマシーは2020年11月にサービスを開始しています。現地メディアによりますと、「アメリカ大手薬局チェーンは利益が上がらず『店舗の閉鎖を続ける』」ということです。

またAmazonファーマシーの影響によるものかは不明ですが、電子処方箋を偽造し、中毒性のある薬を違法に購入・転売するという動きもあるということです。

井上キャスター:
薬局側も店舗に来ないと得られない付加価値を考えないといけないのでしょうか。

元競泳日本代表 松田丈志さん:
既存の事業を守っていくことも大事ですし、便利になって生産性を上げていくことも大事です。バランスをどう取るかが課題ですね。

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