沖縄観光を活性化させるために、スポーツイベントと観光を組み合わせたスポーツツーリズムへの期待が高まっています。観光客の誘客につなげるために何が必要なのか取材しました。

県が掲げるスポーツツーリズムの推進に向け、沖縄観光コンベンションビューローとりゅうぎん総合研究所は2023年11月から2024年1月までに県内で行われたスポーツイベントを調査しました。

対象となったのは、バスケットボールBリーグのオールスターゲーム、自転車のツール・ド・おきなわ、石垣島マラソン、NAHAマラソンの4つ。

4つを対象とした理由についてりゅうぎん総合研究所研究員の我謝和紀さんは、県外からの参加者が多いこと上げています。

りゅうぎん総合研究所我謝和紀研究員:
「沖縄県全体の観光の課題としてあるのが、観光の観光収入の平準化というところで、やはりどうしてもオンシーズンの夏場の方が観光収入が大きくなるというところで、これまで冬場というのはそこまで注目されていなかった、そこにスポーツ大会というコンテンツを入れ込むことで、そういった平準化が図れるのではないかと」

いわゆる、閑散期といわれる冬場におけるスポーツツーリズムの可能性を探るために実施された調査では課題も浮彫となりました。

調査によると、それぞれのイベントにおける一人あたりの消費単価は約8万3千円から約10万7千円で、県が調べた観光客全体の消費単価10万3706円を下回っています。

消費単価を上げるために我謝研究員は、イベントへの参加だけでなく観光も楽しむための仕組みづくりが必要としています。

りゅうぎん総合研究所我謝和紀研究員:
「(調査の中で)大会の会場の近くで宿泊している客層が多いというところと、加えてこの大会の前後で一般観光を行っている客層が大体7割いらっしゃるということがわかりまして、なので大会のコンテンツと合わせてその前後で一緒に観光ができるような仕組み作りっていうのを考えていった方がいいのかなと」

いっぽうで、スポーツツーリズムを推し進めるで必要なのが施設の充実化です。

りゅうぎん総合研究所我謝和紀研究員:
「例えば野球キャンプを例に挙げると、例年こういった形で球団が来てくれる、その中で施設・設備がどんどん古くなっていて老朽化していくとなかなか受け入れするっていうのも難しくなってくる状況がいずれ出てくるんではないのかなというふうに思っておりまして、そういったところを継続的に受け入れできるような体制作りという意味で整備の方が必要なのかなと」

こうした整備を進めていくうえで県や市町村、大会を運営する事業者の協力は必要だと強調します。

りゅうぎん総合研究所我謝和紀研究員:
「(沖縄観光は)今まで夏場のレジャーを楽しむというようなイメージが強かったかと思うんですが、こういった冬場でもこういったイベントがいろいろと開催されていて、割と涼しいタイミングでそういったのに参加できるっていうすごく魅力的なコンテンツだと思っておりますので」

我謝さんは、スポーツツーリズムは沖縄観光の今後の活性化の一つの柱になり得ると期待しています。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。