(ブルームバーグ): トランプ前米大統領は今月27日、テネシー州ナッシュビルで暗号資産(仮想通貨)業界から支持者を招いて非公開の資金調達イベントを開く。テーブル席を確保するには、1席当たり最低84万4600ドル(約1億3300万円)が求められている。

  これとは別に1人当たり6万ドル、あるいは2人で10万ドルを払えばトランプ氏との写真撮影が可能だ。6万ドルという価格設定は、現在のビットコイン相場よりわずかに安い。価格はこのイベントの招待状で明らかになった。このイベントと同じ日に、BTCメディアは年次会合の「ビットコイン2024」を開く。この会合でもトランプ氏はスピーチを予定している。

トランプ氏の資金調達イベントが出した招待状出所:ブルームバーグ

  84万4600ドルの料金は、トランプ陣営と共和党全国委員会(RNC)への献金として、選挙資金法で認められた最大額の合計に相当する。

  ブルームバーグがゲストから入手した資金調達イベントの詳細が記されたメールによると、特別ゲストのリストには副大統領候補に指名されたバンス上院議員などの名前が挙がっている。メールを受け取ったゲストは、イベントが非公開であることを理由に匿名を要請した。出席する献金者の数は100人から150人とされており、「飲み物とオードブルを味わいながら、影響力のあるゲストと交流できる」とメールは説明。レセプションの後は、ビットコインに関するトランプ氏のスピーチを最前列で観ることができるという。

  トランプ氏の選挙陣営にコメントを求めたが返答はない。特別ゲストに挙げられた人物のコメントも得られていない。

  ナッシュビルでの資金イベントは、暗号資産に対するトランプ氏の姿勢転換を示す最新の兆候だ。同氏は先月、フロリダ州の邸宅マールアラーゴの会員制クラブでビットコイン採掘事業の幹部らと会合。それ以降は暗号資産への支持を表明している。同氏はそのイベントで、暗号資産およびビットコイン採掘業者が送電網にもたらす恩恵を自分は理解し、愛していると発言。大統領だった5年前には、暗号資産の価値は「空気のように何もないもの」に基づいており、麻薬密売などの犯罪を助長する可能性があるとして「ファンではない」と述べていた。

原題:Trump Asks $844,600 for Fundraiser Seat at Bitcoin Conference(抜粋)

--取材協力:Stephanie Lai.

More stories like this are available on bloomberg.com

©2024 Bloomberg L.P.

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。