秋田市の秋田火力発電所で7月1日、唯一稼働していた発電設備1機が廃止された。半世紀余りに及んだ電力供給の役目を終え、11日に発電納めの式典が行われ、関係者が地域への感謝の意を表した。

秋田市飯島の秋田火力発電所で行われた発電納め式には、歴代の所長や協力会社の社員など約50人が招かれた。

式では、廃止された発電設備から仕様が記された金属製のプレートを外し、役目を終えた設備に感謝の意を表した。

秋田火力発電所の清水徳行所長は「最終ユニットであるこの4号機の廃止をもって、秋田火力発電所は1970年の1号機の運転開始以来、54年間続いた火力発電所としての役割を終えたことになります」とあいさつした。

秋田火力発電所は、1970年に県内初の石油火力発電所として1号機の運転を始めると、高度経済成長の波に乗り、次々と発電設備を増やした。

1980年に4号機が運転を開始すると、発電量はピークに。一般家庭約234万世帯分に上り、東北電力管内で最大だった。

ところが、その後はオイルショックの影響で、より安価で効率の良い燃料にシフトする動きが進んだ。それにより秋田火力発電所は、夏場や冬場のピーク需要電源へと役割を変えた。

東日本大震災後の電力供給力の確保のために緊急的に設置された5号機を含めて、老朽化などから廃止が進められてきたが、唯一稼働していた4号機が1日に廃止となった。4号機の発電量を管内の発電所でカバーできるめどが立ったことが理由だ。

 秋田火力発電所・清水徳行所長:
「約半世紀にわたり、秋田火力発電所の運転・運用に対し、地域の皆さまから大変なご協力、ご理解、ご支援をいただき、改めて心から感謝申し上げたい。本当にどうもありがとうございました」

東北電力は、2025年度から発電設備の撤去を行い、跡地は地域のために活用できないか検討していくことにしている。

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