“暑すぎる夏”が続き、売れる物・売れないものが出てきています。これまでの春夏秋冬の「四季」にあわせたマーケティングでは物が売れないとして、季節が「五つに増えた」として戦略を見直す企業も出ています。

きょうもうだるような暑さとなった東京。

どこに行っても暑い…。そんな中、子どもたちのオアシスとなっているのが、水遊びができる公園です。

「公園の滑り台は熱すぎて滑れない。行くところがない」

今月1日から放水が始まったこちらの公園。例年は8月末までの2か月間限定のオープンですが、去年から終了時期を見直しました。

江戸川区環境部 吉澤寿徳 課長
「今年も9月の中旬まで延長」

ここ数年で夏の暑さが大きく様変わりするなか、区民から延長を求める声が多く寄せられたといいます。

「昔は30度だったら暑いという感覚だったが、今は30度でよかったという感じ」
「怖いですね、夏本番が」

厳しい暑さが長引くとみられるなか、今、“異冷”の飲み物が注目を集めています。

自販機から出てきたのは、一見、普通のペットボトル飲料。しかし、キャップを開けると…。

記者
「中の液体がシャーベット状になっています」

キャップを開けるだけで、みるみるうちにシャーベット状に。

購入者
「いつもの三ツ矢サイダーより冷たくて、暑い日にはおいしく感じられる」
「不思議な感覚。冷たくてシャリシャリした食感もある」

マイナス5度前後までおよそ12時間かけてゆっくり冷却することで、刺激が加わると一瞬でシャーベット状に凍る不思議な状態を作り出します。

対応している自販機は2800台ほどにとどまっていますが、売れ行きは好調だといい、今後、台数を増やしていくとしています。

終わりの見えない“異例の夏”。季節のとらえ方を変えた企業も。

三陽商会 加藤郁郎 副社長
「5~7月初夏・盛夏、8月~9月猛暑ということで、全体スケジュールを五季。四季から五季、長い夏が2回やってくる」

去年までは当然、春・夏・秋・冬の「四季」で商品を展開してきましたが、今年からはこのように「春」と「秋」を1か月ずつ減らし、「猛暑」を新たに加えて5つの季節にスケジュールを変えたのです。

背景にあるのは、去年の苦戦です。

三陽商会 加藤郁郎 副社長
「(例年8月は)割とコートを先行して展開するが、他社はもうすこし軽いブラウスを(マネキンに)着せている。我々はコートを。お客さんも35度を超える中でコートを手に取ろうとは思わない」

例年通り8月から秋物にシフトしたところ、売り上げが目標より5%下回ったのです。

今年は夏物の生産量を20%増やし、麻などの天然素材のトップスや、涼しく着られるジャケットなどを全面に押し出していきます。

三陽商会 加藤郁郎 副社長
「(五季が)外れたときはまた考えます。(Q.来年、五季じゃなくなる?)なっているかも。そんなことはないか」

異常気象で「四季」を前提とした商いの常識も変わりつつあります。

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