県環境影響評価審査会が開かれ、米沢市の栗子山で進む風力発電事業の環境影響評価準備書(準備書)について審査した。出席した委員から、住民の意見をていねいに聞いてほしいという意見が出た。

米沢市の栗子山で進む風力発電事業は、JR東日本エネルギー開発が計画しているもの。約260ヘクタールの事業地に、高さ168メートル・4300キロワットの風力発電機を最大10基設置し、風力発電所全体で3万4000キロワットを発電する計画。

日本イヌワシ研究会による調査では、計画地とイヌワシの巣との距離は平均で約3キロ、最も近い場所で2.1キロというごく近い場所であることがわかっている。

10日は計画をめぐり、去年8月に県へ送付された準備書についての審査会が開かれた。
事業者に対し、出席した委員からは「住民と合意形成が出来ておらず、住民の意見をていねいに聞いてほしい。そうでないと計画の推進は難しい」という意見が出た。

これに対し事業者側は「この夏、近隣の住民向けに説明会を予定している」と説明し、住民に事業への理解を求めていく考えを示した。

(傍聴していた住民)
「みんなが考えている心配がどうなのか、きょうの審査会の中でクリアになっていない。心配は心配でまだ残っている」

(県環境影響評価審査会・横山潤会長)
「希少な生物が多い地域でもあるので、それに対する『保全対策をしっかりやってください』というのが基本。特に住民が心配されている『災害などにつながらないような開発行為を行ってください』と報告書に意見すると思う」

準備書については、8月下旬に県知事が意見することになっていて、その後、事業者が「環境影響評価書」を作成することになっている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。