7月3日に発行された新紙幣をめぐって、警察が新たな詐欺の注意を呼びかけています。

街ではどのぐらい出回っているのか?福岡市内の商店街で、新紙幣を使ったお客さんいるかどうか尋ねてみると、「まだ手に取ってないから、どういうものかを知らないんですよね。出てるんですかね?見てみたいです」「見たことはある。お客さんが持ってるのを見せてくれました」などの声が聞かれました。

また、実際に新紙幣を見たという店の人は「違和感があって、おもちゃの紙幣と思ってびっくりしました。記念にスタッフで分けました」と語っていました。


番組の調べでは、西新商店街ですでに新紙幣が使われたというお店は9.5%にとどまりました。多くの人に新紙幣が行きわたるまでまだまだ時間がかかりそうですが、いま、注意が必要なのが「新手の詐欺」です。

警察によりますと、新紙幣の発行初日となった7月3日、福岡県柳川市に住む高齢女性の自宅に、市役所職員を名乗る女2人組が突然やってきました。2人は「旧紙幣が使えなくなります。旧紙幣を預かって、新紙幣に交換します」と語り、高齢女性に対し旧紙幣を手渡すように促しました。不審に思った女性が「古いお札も使えるでしょう」と言うと、2人組の女はそのまま立ち去っていったということです。

新紙幣発行に乗じた新たな手口の詐欺。福岡県警犯罪抑止対策室の紫村幸輝室長は「紙幣が変わる、こういった物事が変わる時には、旧来の物が使えなくなるという手口の詐欺が想定される」と語ります。

福岡県警では、新紙幣に関連した詐欺への注意喚起のポスターを作成して、ホームページなどで公表しています。

紫村幸輝室長は「旧紙幣は従来通り使うことができます。犯人は言葉巧みに不安をかき立て、お金をだまし取る。このようなことがあれば、遠慮なく110番をお願いします」と呼びかけています。

一方、オークションサイトには、早くも新紙幣がずらりと並び、五千円札の値段が5900円と、900円上乗せで販売されていました。

このサイトでは、最初の製造ロットで刷られていることを示す「AA」の番号で始まる紙幣が多く目につきましたが、中には「AC」と特に珍しい番号ではなくても7万円(一万円札7枚)が8万6000円で販売されているものもあります。

ただし、新紙幣のこうした出品について、ヤフーオークションを運営するLINEヤフーは次のようにコメントしています。

<LINEヤフーのコメント>
『前提として、現金についてはコレクション性、希少価値が認められる物を除き、出品禁止物の対象としております。新紙幣に関しても、ヤフーオークションのガイドラインに則し、削除対応を随時行います」

全国ではほかにも、新紙幣発行に便乗した詐欺が相次いでいます。千葉県では6月、70代の女性が郵便局員を名乗る男に「古い紙幣を保管しておくと犯罪になる」などと言われ、現金約200万円をだまし取られる事件が発生しています。

警察は、ほかにも「新紙幣が全国のATMで使えるか調査をしているので協力してほしい」などとニセの電話をかけて高齢者らをだます手口なども想定されるとして、「旧紙幣を交換する」「新紙幣を預かる」などと言われたら詐欺を疑って欲しいと注意を呼びかけています。

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