(ブルームバーグ): 日本半導体製造装置協会(SEAJ)は4日、2024年度の日本製半導体製造装置の販売高が23年度比15%増の4兆2522億円になる見通しを発表した。1月時点の見通し(4兆348億円)からは上方修正となった。
公表資料によると、24年度は年度後半からのメモリー投資回復が見込まれるという。メモリー各社の業績が2023年1-3月期を底に回復していることや、人工知能(AI)サーバー向け画像処理装置(GPU)や広帯域メモリー(HBM)の需要が増えていることを勘案した。
25年度もロジック・ファウンドリー、メモリー全体で堅調な投資が予想されるとして、24年度比10%増の4兆6774億円と予測し、1月時点の4兆4383億円から上方修正した。今回新たに示した26年度については、AI関連半導体の需要押し上げ効果が顕在化するとみて25年度比10%増の5兆1452億円と予測する。
SEAJの河合利樹会長(東京エレクトロン社長)は記者会見で、24年度の予測が上振れた要因について中国市場での堅調な投資とAI関連投資に言及。AI活用が広がることで半導体に対する技術要求がさらに高まり、高性能半導体を形にする製造装置に対する「期待や需要もますます高まっていくことが予測される」と述べた。
生成AIブームを受けてAI向け半導体やデータセンターの需要が高まっており、昨年11月以降上昇が続くフィラデルフィア半導体株指数は最高値の更新が視野に入る。いくつかの工程で高いシェアを持つ日本の半導体製造装置メーカーにとっても追い風が続きそうだ。
ただ、米中対立の長期化など地政学リスクもつきまとう。ブルームバーグは米国が日本やオランダに対し、半導体製造装置の保守・修理についての規制強化を求めると報じていた。河合氏は引き続き動向を注視すると述べた。
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