(ブルームバーグ): トランプ前米大統領は、重要な政治のルールをついに学んだ。過ちを犯している相手に対し絶対に口を挟まないことだ。

  大統領選に向けた討論会でバイデン大統領が散散なパフォーマンスを示してから、トランプ氏は国内の表舞台からほぼ姿を消した。討論会を機に民主党の不安が大きく報じられ、バイデン氏に対する政治的圧力が高まっている。

  6月28日に祝賀ムードの集会を開いた以外、トランプ氏はおおむね沈黙を守っている。バージニア州のテレビ局13ニュース・ナウによれば、予定していた同氏とのインタビューもキャンセルされた。討論会の数日前に副大統領候補の発表をちらつかせていたトランプ陣営は、共和党全国大会にもっと近くなってから発表するという当初の計画に戻った。

トランプ前米大統領Photographer: Hannah Beier/Bloomberg


  トランプ氏は、相手の支持率急降下で追い風を受けている。世論調査によれば、同氏は全国、激戦州の両方でバイデン氏に対するリードを広げている。11月の選挙で民主党政権を維持できないだろうと公言する同党議員もいる。

  今後どのような展開になるか分からず、バイデン氏が撤退する場合、それが選挙戦にどう影響するかも不明だとトランプ氏と同氏の陣営は認めている。仮にハリス副大統領が民主党の大統領候補となれば、若さをアピールできるほか、トランプ氏が取り込んだ女性、無党派層、有色人種の有権者が同氏から離れる可能性もある。

  トランプ氏は、バージニア州リッチモンドのラジオ局WRVAとのインタビューで、「彼であろうと他の誰かであろうと、私は登場し、選挙運動をすることになる」と語った。

  トランプ陣営は、バイデン氏が身を引くことに懐疑的な見方を示しつつも、バイデン氏に対し大統領選からの撤退を求める声が強まるにつれ、ハリス氏や他の民主党政治家への攻撃を強めている。

  全国共和党下院委員会(NRCC)は3日、バイデン氏の年齢を強調し、ハリス氏が次に控えている可能性を有権者に想起させる広告をX(旧ツイッター)で配信した。

  広告では「この11月は共和党に投票を。ストップ・カマラ(ハリス氏)」との文字が表示され、不吉な音楽に合わせてハリス氏が笑っている動画が流れる。

原題:Trump Stays Out of Fray as Democrats Question Biden Campaign (1)(抜粋)

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