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3日に新しいデザインの紙幣が発行されました。決済のキャッシュレス化が加速するなか、“財布の主役”である千円札の役割はどうなっていくのでしょうか。

■お札の「顔」“諭吉”から“栄一”へ

東京証券取引所では、福沢諭吉さんから渋沢栄一さんへ、出身地の地酒をつかった引き継ぎ式が行われました。地元・埼玉では、おごそかに受け取ったり、感激する人も。

一番乗りの人
「いいですよね、やっぱり。1万円札になるだけの人格の方だからね」

「現金としては使わないけど記念に」という人も多いようです。

70代
「見せるために両替した。これは使わない。当分使わない」

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■印刷枚数“前回より減少”なぜ?

■印刷枚数“前回より減少”なぜ?

日本銀行 植田和男総裁
「キャッシュレスが進展しつつある世の中だが、日本銀行としては現金に対する需要がある限り、責任をもって供給をしていきたい」

これまでも、偽造防止を強化するため、おおむね20年ごとに新紙幣が発行されてきました。今回“違うこと”。それは、前回より刷られる枚数が減ることです。

その理由は『キャッシュレス』。“財布の主役”1000円札は約3割少なくなります。

1000円札の顔になった北里柴三郎さんゆかりの北里大学で聞いてみました。

北里大学薬学部6年生
(Q.お札はどのくらい使いますか)
「うーん。実際そんなに使っていない。私は現金を持ち歩いていないです」
「1万円札とかはほとんど使わなくなりました。使っても少額の支払いで1000円を出すことはある」

北里大学大学院生
「8割くらいがキャッシュレス」

北里大学薬学部4年生
「ケーキ店や焼き菓子店で(現金を)使います。個人経営のお店だと結構現金のみだなと。北里柴三郎先生になるので現金を使っていきたい」

北里大学薬学部5年生
「電気の障害があった時に使えない時もあるので、現金はちょっとは持っていたほうがいいかなと」

特別栄誉教授のノーベル生理学・医学賞、大村智博士にも伺いました。

北里大学 大村智特別栄誉教授
「(Q.大村先生自身はキャッシュレス利用されていますか)クレジットカードを使うくらいだね。千円札は一番多く発行される。あれは北斎の傑作中の傑作なんですね。使わなくても芸術作品だと思っていますから、新札は。そういう意味で世界中に持っていって自慢してやろうと思っていますね」

食料品の購入や外食で現金とキャッシュレスどちらを使用するかを調べたデータでは、2018年には50%以上が現金派でしたが、2023年には20%台まで減っています。

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■キャッシュレス時代 紙幣の役割は

■キャッシュレス時代 紙幣の役割は

どんどん進むキャッシュレス化を受け入れようと奮闘する人たちがいます。
愛知県東海市が行っている高齢者向けのキャッシュレス決済講座です。

参加者(85)
「難しかったです。少しずつやってみようかな」

新紙幣発行は今回が最後になるのではないかという専門家もいます。

野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英さん
「日銀が紙幣を発行し始めてから約140年の歴史があるが、おそらく今回の新紙幣が広く流通する紙幣としては最後に」

日銀がデジタル通貨を発行すれば、飛躍的に移行が進むといいます。日銀は技術的な検証を進めていますが、現時点で実用化の計画はないとしています。

野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミスト 木内登英さん
「2030年代の前半くらいには日本でも発行される可能性。日本銀行法ではデジタル通貨は想定していないので、法律改正が必要。それは国民が決めること」

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