(ブルームバーグ): ムーディーズ・ジャパンは2日、農林中央金庫の長期発行体格付け「A1」を格下げ方向で見直すと発表した。含み損を抱える外国債券を売却して多額の損失を計上する方針を受けたもの。

  ムーディーズは見直し理由として、大部分の金利リスクがヘッジされていない外国債券を大量に保有しているとし、長期にわたる高金利環境下では、外貨調達コストが、大部分の外国債券の運用利回りを上回り、収益性の悪化につながるだろうと指摘した。

  S&Pグローバル・レーティングも先月、農林中金の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に変更している。

  農林中金は先月、保有する米欧の国債10兆円相当を売却して損失を確定させるため、2025年3月期の最終赤字が当初見込みの5000億円超から1兆5000億円に膨らむとの見通しを示した。奥和登理事長は21日、金利環境次第ではこの金額が変動する可能性を示した。同金庫は1兆2000億円規模の資本増強を計画している。

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