日本の新たな主力ロケット、H3ロケット3号機が、7月1日正午過ぎ、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられ、打ち上げは成功しました。
初号機の失敗、そして2号機のテストフライト成功を経て、今回はH3として初となる、実用衛星の打ち上げ成功への期待がかかっていました。今回の打ち上げ成功は、今後の安定的な運用につながる大きな一歩と言えそうです。
野平美奈子記者
「2機連続成功を目指して、H3ロケット3号機がいまリフトオフしました」
1日午後0時6分すぎ、種子島宇宙センターからH3ロケット3号機が打ち上げられました。ロケットは順調に飛行を続け、打ち上げから約17分後、搭載していた地球観測衛星「だいち4号」を切り離し予定の軌道に投入、打ち上げは成功しました。
JAXA H3プロジェクトチーム・有田誠プロジェクトマネージャ
「2023年に1号機の打ち上げに失敗してしまい、大切なだいち3号を失う結果になった。『必ずH3ロケットを立て直します』と誓っていた。その約束がきょう果たせたと思って、大変ホッとしている」
2001年から20年以上運用され、高い信頼度を誇るH2Aロケットの後継機として開発されたH3ロケット。2023年3月に打ち上げられた初号機は失敗、その後大型衛星を搭載しない、テストフライトと位置づけた2号機の成功を経て、今回の3号機はH3の本格的な運用に向けた大事なステップと位置づけられていました。
JAXA H3プロジェクトチーム・有田誠プロジェクトマネージャ
「これからこれ(成功)を続けていかないと意味がない。油断することなく一機一機のロケットを着実に打ち上げていくことが必要。H3をさらに磨いていくための努力が必要だと考えているので引き続き努力していく」
今回搭載された地球観測衛星「だいち4号」は、現在運用されているだいち2号の後継機として、観測幅と観測頻度を大きく向上させたもので、災害に関する、より精度の高い情報を得ることが可能となります。
開発責任者である鹿児島市出身の有川善久プロジェクトマネージャも、これからの運用を見据えて安どの表情を浮かべました。
鹿児島市出身 JAXA 先進レーダ衛星プロジェクトチーム・有川善久プロジェクトマネージャ
「我が子の産声をようやく聞いて安堵している。生まれたばかりなので長い衛星の運用寿命をしっかりと運用できるよう、最初の3日間のクリティカル運用、JAXA・三菱電機が一体となって取り組みたい」
実用衛星の軌道投入、そして2機連続の打ち上げ成功は今後の安定的な運用に加え、H3が将来的に目指す低コスト化にもつながる大きな一歩とも言えます。
ところで、宇宙センターのある南種子町では、多くの人が宇宙に向かっていくH3ロケット3号機を見守りました。
種子島宇宙センターから約3.1キロ離れた、南種子町の恵美之江展望公園には、県の内外から抽選で選ばれた約300人が訪れました。
東京から来た見学者
「炎がよく見えて明るくて、こんな明るいんだと思いました」
「いろいろな人の頑張りがつながって、成功してるんだなと思いました」
岐阜から来た見学者
「すごいですね、初めて見に来ましたけどほんとにすごかったです。また来たいです」
県内では、5カ所にパブリックビューイングの会場が設けられ、そのうちのひとつ、鹿児島市のよかど鹿児島では約100人が見守りました。
庄村奈津美記者
「発射場から約140キロ離れた、ここ鹿児島市でも打ち上げの様子を見守っています」
見学者
「夢中になっちゃって。かっこよかったです」
「うちゅうまでとんでいった。プシューって飛んでいった!」
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