大阪・関西万博の海外パビリオンをめぐって、建設の遅れが原因で、新たに最大およそ76億円の会場建設費が必要となることが分かりました。
■BIE事務局長が自見万博担当大臣に報告
27日午後、BIE(博覧会国際事務局)ケルケンツェス事務局長が、東京で自見万博担当大臣に合い、大阪・関西万博の参加国などの担当者を集めた会議の終了を報告しました。
会議は奈良県で2日間にわたって開かれていたもので、ケルケンツェス事務局長は「2日間で多くの疑問と回答、そして解決策が見つかりました。参加国が準備に前向きな考えを持つことができました」と話しました。
■回収が難しい費用は最大で76億円に
一方、大阪では、準備状況などを話し合う万博の理事会が行われました。
【博覧会協会 石毛博行事務局長】「『タイプX』、それから割り当てられた国が使わなくなった空き地の活用の件」
中でも、大きな課題となっているのが、海外パビリオン「タイプX」です。
49の参加国が独自で建設する「タイプA」のパビリオンをめぐっては、まだ10カ国程度が建設業者すら見つかっておらず、博覧会協会が代わりに簡易のパビリオンを建設して引き渡す、「タイプX」を提案していました。
すでに建設を進めている9棟の整備費用などは、利用する国が負担することになっていましたが、博覧会協会によると、現時点で移行したのは3カ国。
残る6棟全てが使われなかった場合、整備費用など回収が難しい費用は最大で76億円に上ることが分かり、27日の理事会で、会場建設費の予備費130億円から捻出すると決まったのです。
■足りなくなることは?「十分吸収できる」
全体の会場建設費は、これまでに2度上振れし、大幅に増額してきた経緯がありました。
今回、予備費の半分以上をあてることになりますが、増額し、足りなくなることはないのでしょうか…。
【日本国際博覧会協会 十倉雅和会長】「予備費を除いた2220億の精査を今しているが、極力合理化・圧縮して、低めの金額でいっている。そこから充当できる部分もある。この予備費130億を含むと、この中で十分吸収できると判断している」
■空地は…「緑が増えれば、その分美しい万博になるでしょう」
独自パビリオンの断念でできる空き地については、BIEのケルケンツェス事務局長は26日、関西テレビの取材にこう答えていました。
【BIE・ケルケンツェス事務局長】「万博には家族が集ったり、座ったりする屋外スペースが必要です。緑が増えれば、その分美しい万博になるでしょう」
理事会では、使わなくなった「タイプX」や空き地は、団体の休憩所やイベント会場などとして協会が活用し、会場建設費を使って整備することが決まったということです。
開幕が近づくにつれて見えてくる運営面での課題。限られた費用の中で、解決していくことはできるのでしょうか。
(関西テレビ「newsランナー」2024年6月27日放送)
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