(ブルームバーグ): 中国の輸出見通しは改善し、個人消費が鈍化する中でも世界2位の経済大国である同国の成長を後押ししそうだ。ブルームバーグのエコノミスト調査でそうした見通しが示された。
エコノミスト22人の予想中央値では、今年の輸出は前年比4.3%増加する見込み。この調査は6月17-24日に実施された。5月の調査では、2.8%増と予想されていた。エコノミスト68人の予想中央値によると、中国の成長率は5%と、5月調査で見込まれていた4.9%を上回る可能性がある。
みずほセキュリティーズアジアの中国担当シニアエコノミスト、周雪氏は「世界の需要がサービスからモノにシフトすることで、今後数カ月にわたって貿易見通しが改善するとみている」と説明した。
この調査結果とは対照的に、ゴールドマン・サックス・グループは6月23日付のリポートで、中国の顧客は向こう数四半期の輸出の伸びについて懐疑的な見方を強めていると指摘。投資家は、特に内需が弱い場合の供給拡大の持続可能性と貿易摩擦のリスクを懸念していると分析した。
ブルームバーグの調査によると、エコノミストは今年の消費者および生産者物価と、小売売上高の伸びに関する予想を下方修正。住宅市場の落ち込みが続いており、需要を巡る悲観的な観測が反映されている。
ABNアムロ銀行のシニアエコノミスト、アリエン・ファンダイクハウゼン氏は「最近のマクロデータから、不動産セクターによる足かせが続いていることが確認された。輸出のモメンタム加速が依然として成長を下支えしているものの、中国の過剰生産能力が貿易摩擦を招く中で外的リスクが高まっており、米欧各国は戦略産業の保護を図っている」と語った。
中国が今年、デフレ圧力から脱する可能性は低い。今年の消費者物価指数(CPI)上昇率は0.6%にとどまり、生産者物価指数(PPI)は1%低下するとエコノミストは予測。いずれも5月時点の予想から引き下げられた。雇用安定や収入見通し、資産価値下落への懸念で、消費者が支出に消極的になっていることが背景にある。
預金準備率の引き下げ時期に関する予想は従来の4-6月(第2四半期)から7-9月(第3四半期)に先送りされた。中国人民銀行(中央銀行)はここ数カ月、市場の流動性が十分なこともあり、人民元を守るため金融緩和を手控えている。
政策金利と貸出金利の指標であるローンプライムレート(LPR)の引き下げ時期については、エコノミストは7-9月期との予測を維持した。
原題:Economists Raise China Growth Forecasts as Exports Improve(抜粋)
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