「物流2024年問題」、新年度になってじわじわと影響が出ています。

■これからは輸送コストを意識する生活に

ドライバーの働き方改革が進む一方で、人手不足、運賃の上昇、配送の遅れなどといった課題もあります。

スーパーマーケットに取材したところ、すでに影響が出ているようです。

【小売業者】「納品に時間がかかるようになった。翌日発送が翌々日発送になることもある」

【小売業者】「『配送を3回から2回に減らしてほしい』と(業者から)頼まれた。特売品の数が減ることも考えられる」

こうなると、家計にも影響が出るのではないでしょうか。

【関西テレビ 神崎 博報道デスク】「今のところは小売業者の努力によって価格は維持されるかもしれませんが、ゆくゆくは上がった物流コストが最終的には商品の価格に転嫁され、われわれ消費者が負担することになると思います」
「そうすると考え方を変えなければいけないですね。今まで、農産品が遠方から運ばれてくるという輸送コストをあまり考えていなかったと思いますが、例えば地域で採れた野菜などを地域で消費する、いわゆる地産地消みたいな形で、輸送コストが安いものに切り替えていくとか、そんなことを考えていく必要があると思います」

■クリックしてすぐ届くなんて「異常」だった

輸送のコストも含めて考えていく必要があるということです。課題の多い2024年問題、打開策はあるのでしょうか?

【大阪大学大学院 安田洋祐教授】「われわれができることとして、『当たり前を変えていく』のがいいかなと。インターネットでクリックしてから24時間以内に届くのは、ある意味異常なんですよね。僕が以前、留学していたアメリカでいうと、注文しても一週間近く来ないなんてザラだったので」
「すごく恵まれていた背後に、ドライバーの無理な働き方があったりして、サステナブルではなかったんですよね。これを変えていくきっかけになるかもしれない。当面は不便なことが続くかもしれませんが、例えば輸送のロジスティクスが改善されるなど、働きやすくなることで新しいドライバーが増えるなど、長い目で見ると改善していく可能性もあると思うんです。いったん当たり前を変えていって、これまでできたことができなくなっても我慢することが大切じゃないかと思います」

これまで“便利すぎた”ことで、どこかに歪みが生まれていたことを改めて認識する必要がありそうです。

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