トヨタ自動車など5社が不正なデータを使って国の認証を取得していた問題の発覚から1週間。国交省はきょう、ホンダとマツダへ立ち入り検査に入りました。一方、メーカーでは補償に向けた動きも始まりました。
記者
「午前9時です。道路運送車両法に基づき、国交省がホンダ本社に立ち入り検査に入ります」
ホンダは2009年以降の騒音試験やエンジン出力試験で、実際と異なる数値を記載するなどの不正が見つかったと発表。対象は人気の軽自動車「N-BOX」など、2007年から2022年に生産された22車種、およそ325万台に上ります。
ただ、「社内で技術検証などを行い、性能に関する法令で定められた基準を満たすことは確認した」と説明しています。
記者
「マツダ本社へ国土交通省の検査官が立ち入り検査に入ります」
また、マツダの認証不正は生産中の2車種を含む、あわせて5車種。衝突試験でエアバッグをタイマーで作動させるなどの不正がありました。
自動車大手5社に立ち入り検査が入る異例の事態。懸念されるのは経済への影響です。
国交省はトヨタ自動車、マツダ、ヤマハ発動機が生産中の6車種について、安全性が確認できるまでの出荷停止を指示しています。
クルマの部品はおよそ3万点。今回、不正の見つかった自動車メーカー4社の取引先は7万7000社にのぼり、取引額は30兆円余りと推計されます。
一方、メーカーでは補償に向けた動きが始まりました。
マツダ関係者によりますと、不正のなかった他の車種を増産することにより、部品メーカーへの発注量を減らさないようにして、実質的な補償を行うということです。別途、金銭的な補償が必要かどうかは今後、判断することにしています。
経団連 十倉雅和 会長
「日本のモノづくり、日本の誇る自動車産業でこういうことが頻発すること、早く是正しなければ」
経団連の十倉会長は、国とメーカーとの議論が進むことに期待感を示しています。
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