経団連が初めて選択的夫婦別姓制度の導入を求める提言をまとめました。経団連は、今年2月に初めて会長が制度導入に明確に賛成するなど、制度導入に向け政府への働きかけを強めています。

現在、日本では、夫の姓、妻の姓のいずれも選ぶことが可能ですが、95%の夫婦では妻が改姓をしています。

きょう経団連がまとめた提言では、▼「夫・妻各々が、希望すれば生まれ持った姓を戸籍上の姓として名乗れる制度の早期実現を求めたい」とした上で、▼「政府が一刻も早く改正法案を提出し、国会において建設的な議論が行われることを期待」すると政府に対して求めています。

また、ビジネスの場で主に女性の「旧姓使用」が一般化してきている一方、海外での仕事でパスポートの名前が異なり、「旧姓」を証明する公的な身分証明書がないことで支障が出るなど様々な課題があると指摘しています。

加えて、調査の中では、▼「旧姓の通称使用」が可能な場合でも、88%の女性役員が「何かしら不便さ・不都合、不利益が生じると思う」と回答したということです。

経団連は、ビジネス上でも女性の進出が進む中、「姓名は、性別にかかわらず、その人格を示すものでありキャリアそのもの」だとして、担当者は「今までは個人の問題、価値観の問題として片付けられてきたが、発生している問題を考えると、今は、制度がないことがビジネス上のリスクである」と指摘しています。

経団連は近く政府に提言を申し入れる見込みです。

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