今月5日に発表された人口動態統計で、去年の婚姻数は90年ぶりに50万組を下回りました。こうしたなか、自治体や企業がマッチングアプリを活用して出会いの場を提供する動きが広がっています。

■マッチングアプリ活用広がる

 去年結婚した、新婚のご夫婦です。夫のみつひろさん(33)と、スペイン出身の妻・アイナさん(27)。出会いのきっかけは、婚活の「マッチングアプリ」でした。

マッチングアプリで結婚 夫・みつひろさん
「私は結構ずっと長く婚活していて、今まで会った中でも『この人だ!』と感じるものがあった。細かい趣味や価値観、将来大事にしたいものを話していくうちに今までで一番マッチする人だと思った」

マッチングアプリで結婚 妻・アイナさん
「私はアニメやゲームが好きなので、やりとりや電話をしているうちに本当に『この人だ!』となってとても意気投合した」

 2人がマッチングアプリで知り合ったのは、おととしの10月。オンラインゲームが共通の趣味で、翌月に交際が始まり、4カ月の付き合いを経て、去年3月に結婚しました。

夫・みつひろさん
「僕の感覚では『街コン』に行くよりはるかに真剣に(婚活を)やっている人と出会える感覚がある。むしろ合コンの方が失敗している」

 1年以内に結婚した夫婦に出会いのきっかけを聞いた調査では、実に4人に1人が「マッチングアプリ」と答えています。マッチングアプリを利用する訳を、街の人に聞きました。

24歳の人
「(Q.マッチングアプリを使ったことは?)使っていた。恋人を探したくて。事前に相手の性格が分かるのは良いなと。全然出会いがなくて、職場も女性が多く、大学も女の子ばかり。手軽に出会いが見つかるのはすごく良い」

26歳の人
「恋人がほしくて(マッチングアプリを)使った」
「(Q.実際に見つかった?)見つからなかった。友達がマッチングアプリで彼氏を見つけたので、やってみようと」

 一方、88歳の女性は…。

88歳の人
「強制的に親からお見合いさせられて、自分の好きな人と結婚したら二度と家に入れないって。お見合いして3カ月で結婚した。あの世に行ったら一回、恋愛してみたい」

 かつて昭和の時代には、結婚相手を探す場が「集団お見合い」だった時期も。時は流れ、令和の今、女性1人が生涯に生む子どもの数を示した「合計特殊出生率」は過去最低の「1.20」にまで下がっています。東京都は「0.99」で最も低く、初めて1を下回りました。

 東京都は対策の一つとして、この夏にもAI(人工知能)を使った独自のマッチングアプリの提供を始めます。

相模女子大学大学院 白河桃子特任教授
「出会いの場が『お見合いパーティー』や『街コン』といったリアルなものから、便利なアプリに移った。その理由は、誰か分からない人が何人も集まる所に行きたくない。若者の求める効率化。(アプリなら)あらかじめ、どんな人かプロフィールが分かる。ある程度は把握したうえで会える。このような効率の良さが受けている」

 進化する「マッチングアプリ」。利用者にとって最適な相手をAIが選んでくれるといいます。

 ただ、便利な半面、不安の声も…。

25歳の人
「やっぱりちょっと怖い。知らない人だから書いてある情報が本当なのかなと」

18歳の人
「自分の友達がマッチングした相手が『池袋のビルに来て』と行ってみたら外国人で『金出せ』と。マジの出会いを求めている人もいるけど、それで金を稼いでやろうみたいな、やばい人も世の中にはいるから」

 最新のマッチングアプリでは「ロマンス詐欺」や「なりすまし」などの不正を防ぐため、AIを使った安全対策を強化しているといいます。

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