環境への配慮から、近年、生産工程におけるCO2の排出削減は、企業にとって重要課題となっています。繊維メーカーの「KBセーレン」は6月から、鯖江市にある工場で大規模な太陽光発電を導入しました。工場内に設置された太陽光発電としては北陸最大級となります。工場で消費する電力の6.5%を再生可能エネルギーで賄うということです。
太陽光発電が導入されたのは、鯖江市にあるKBセーレン北陸合繊工場です。発電設備を設置したのは「北陸電力ビズ・エナジーソリューション」で、設置やメンテナンスに関わる費用を負担しました。
一方、KBセーレンは工場内の空いた土地や建物の屋根を無償で提供し、今後20年間、ここで作られた電気を全て買取る仕組みです。
このような仕組みを「オンサイトPPA」といい、電力会社は他社との競争なしに長期的、安定的に電気を販売できるメリットがあります。土地などを提供する企業側にとっても、初期投資なしで再生可能エネルギーへの変換が可能となります。
今回の太陽光発電システムは約2万平方メートルで、サッカーコート三面分の広さに太陽光パネル約4900枚が敷き詰められています。
最大出力は、北陸電力ビズ・エナジーソリューションが手がけたものとしては北陸最大となる2805キロワット、一般家庭に直すと780軒分の年間の電力使用量に相当するということです。
ポリエステルの糸などを製造しているこの工場では、プラスチックを溶かして成形する過程で大量の電力が使用されるということで、今回導入された太陽光発電で全電力使用量の6.5%を賄うことができます。
KBセーレン北陸合繊工場では「この事業はエネルギーを大量に使う。エネルギーを多量に使うということは、やはりCO2を多量に排出している。社会的にCO2削減していくことが我々の取り組むべき課題の一つと思っているので、太陽光パネルを設置した」と話しています。
セーレングループでは、2050年に温室効果ガス排出の実質ゼロを目指していて、KBセーレンでは今後も、化石燃料を使わないバイオマスボイラーの導入や産業廃棄物の再利用を進めたいとしています。
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