6月3日夕方、日本の誇る自動車メーカー3社のトップがそれぞれ謝罪会見を行うという、異例の事態となりました。

 (トヨタ自動車 豊田章男会長)「本当に申し訳ございませんでした」
 (ホンダ 三部敏宏社長)「深くお詫び申し上げます」
 (マツダ 毛籠勝弘社長)「この度は大変申し訳ございませんでした」

 その理由は自動車を大量生産するのに必要な型式指定を取得するための国の認証試験で行われた不正でした。

 (トヨタ自動車 豊田章男会長)「(国の)認証試験で基準を達成して初めて車を量産・販売することが可能になりますが、今回の問題は正しい認証プロセスを踏まずに量産・販売してしまった点にございます」

 不正が明らかになったのは謝罪会見を行ったトヨタ自動車、マツダ、ホンダに加え、ヤマハ発動機、スズキの5社。いずれも世界に知られた自動車のトップメーカーです。

 ことの発端となったのはトヨタグループの日野自動車やダイハツ工業などで相次いだ認証試験での不正でした。国土交通省が国内の自動車メーカーなどに同様のケースがないか調査を指示。今回の5社の不正が発覚したのです。

 (トヨタ自動車 豊田章男会長)「認証制度の根底を揺るがすものであり、自動車メーカーとして絶対にやってはいけないことだと考えております」

 5社による不正の対象車両は累計で500万台を超えます。各社は「国よりも厳しい基準で独自の試験を行っているため安全性に問題はない」というものの…

 (斉藤鉄夫国土交通大臣)「ユーザーの信頼を損ない、かつ自動車認証制度の根幹を揺るがす行為であり、極めて遺憾です」

 6月4日、斉藤国土交通大臣は、事実関係を確認した上で厳正に対処すると発言。国土交通省はトヨタ・マツダ・ヤマハの3社が生産中の計6車種の出荷停止を指示し、さらに国交省はトヨタ自動車本社に立ち入り検査に入りました。今後、他の4社にも立ち入り検査を行う方針です。

 トップメーカー5社で明らかになった不正に街の人は?

 (トヨタ・シエンタを所有する人)「信頼のトヨタだと思っていたから、裏切られたような。信頼で買っていたのもあるので」
 (元トヨタ自動車販売員)「トヨタっていうブランド、信頼を買ってくれているという認識を持っていて。そこを失ってしまうようなニュースだったので、今後どうなっていくんかなと思いますね」

 中古車販売店への影響は深刻です。大阪府摂津市の「アストレア自動車」はトヨタのシエンタやホンダのヴェゼルなど不正が判明した7車種を取り扱っています。

 (アストレア自動車 島脇累さん)「レクサスRXをはじめ、トヨタ車をメインで8割ぐらい扱っていまして。トヨタ・シエンタなども扱っております。この業界でまたかっていうような印象でした。こういう問題がメーカーさんでまた出たかっていう印象で、僕ら自身もメーカーさんをあまり信用できないかなって。お客さまから問い合わせがあり、私の買った車は大丈夫?というような連絡を2件受けております」

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