多くのお年寄りが楽しみに待つ年金支給。6月からは、受け取れる額が増えるという。

物価の上昇などにともなう措置で、6月の支給分から2.7%アップ。

自営業者らが受け取る国民年金は、これまで月額約6万6000円だったが、6月の支給から1750円増え月額約6万8000円となる。

厚生年金は、夫婦2人のモデル世帯で、これまで月額約22万4000円だったが、6月の支給分から月額約23万円となる。

年金生活者に2.7%の増額について聞くと、歓迎の度合いには差があった。

年金受給者(年金額/月 10万円以下)「そんなの上がったうちに入らない。10%ぐらい上がらないと...この物価高だからね、2%なんて笑い話」

70代(年金額/月 約7.5万円)「そんなにいただけるの?」
友だち「それだけ? って思っちゃった」
70代(年金額/月 約7.5万円)「気持ち的に余裕ができて、おいしいもの買えるかも」

70代(年金額/月(夫婦)20万円超)「とてもうれしい。これから公共料金が上がるから、どうしたらいいのか...」

東京・新宿区に店を構える、自転車専門店「牧島サイクル」。

店主のひと月の年金は約8万円だが、「(年金が)足らないので、まだ仕事をしています」と話し、年金だけでは生活が苦しいため、店を続けているという。

店主は2.7%の年金アップよりも、それを上回る物価の高騰を痛いほど感じていた。

自転車店の店主「2.7%...物価がもっと上がってるし、自転車の部品も2倍になっている。お客さんも減るし、大変」

部品の高騰で修理代が上がったため、客が激減。
5月は、初めからの2週間近く1人も来なかったという。

頼みの綱である店の売り上げがほとんどない中での、ギリギリの年金生活。

自転車店の店主「いろいろな支払いをすると、もう(お金が)残らない。なんとか生き残っているかな...」

バブル期以来、最高の伸び率となる年金額。
しかし専門家は、物価上昇に追いついておらず、実質的な支給額は目減りしていると話す。

関西大学・宮本勝浩名誉教授「国民年金は月に300円もらえる予定の年金が減り、厚生年金は月に900円減る。年金制度を長く続けるために、できるだけ年金を抑えようとする制度。年金生活者にとっては、かなり厳しいことになる制度」

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