最近、駅で見かけなくなったモノ、「伝言板」や「冷水機」などについて詳しく調べました。

■「磁気乗車券」を順次廃止 “QR乗車券”に切り替えへ

加藤シルビアキャスター:
最近、駅で見かけなくなった「伝言板」や「冷水機」などについて詳しく調べてみました。

先日、JR東日本など8社が2026年度以降、「磁気乗車券」を順次廃止していくことを発表しました。「QR乗車券」に切り替えるということです。

リサイクルが容易な用紙に置き換え、環境負荷が減るということ。また、自動改札機の“切符詰まり”がなくなり、混乱が避けられるというメリットがあるということなんです。

こういった切符のように、以前はあったけれど、なかなか見かけなくなってきたというものを見ていきます。

■駅員の“高速切符切り” 切った痕にそれぞれの特徴

まずは、駅改札での「切符への切り込み」です。1992年のJR高田馬場駅の映像では、駅員がハサミを常にカチカチ動かしています。ただ、切符に切り込みを入れるのはほんの一瞬だということなんです。

当時のインタビューによりますと、この駅員さんの改札での業務歴は6年。この方も含め、当時は自分は名人だと思いながら仕事をしていたという人が多かったそうです。

切符へ切り込みを入れるハサミは「改札鋏」といって、切った痕に特徴があります。「鋏こん」という痕がつけられるんですが、それぞれの駅にそれぞれの駅の「鋏こん」があります。駅員はこれを覚えていって、キセルの防止などに役立っていたということなんです。

■駅で見かけた冷水機はなぜ設置?

続いて調べたのは、ホーム上にあった「冷水機」です。喉が渇いたときに水を飲むためのもので、東京メトロでは1966年6月、17駅に20台を導入しました。

そもそも、なぜ設置されたのかというと、旅客サービスの一環で設置されたそうです。当時の社内報を見てみますと、「暑さに向かうおりから、利用客になかなかの好評を博している」と書いてありました。

ただ、最近見かけることがありませんが、「冷水機」について東京メトロに「今もあるのか?ないのか?」を聞いたところ、「全て撤去された」ということです。

「飲料水を購入する人が増え、冷却機のニーズが減ってきた」というのがシンプルな理由だそうです。

■携帯登場まで大活躍 駅の伝言板には何が書いてあった?

続いては、携帯やポケベルがなかった時代の待ち合わせの時に活躍した「伝言板」です。

実際、過去に使われたものを見ていきますが、1970年はすごく活躍していました。ずらっと書かれています。

「井上さん、三時迄待ったが来ないので帰る。鈴木」
「節子、先に行く。KK」
「沖さん、今日は会えない。悪しからず」

やはり携帯がない時代なので、すれ違うことが多かったというのが見てもわかります。

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<プロフィール>
斎藤幸平 さん
東京大学准教授。専門は経済思想、社会思想。
著書『人新世の「資本論」』50万部突破。

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