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 東京オリンピックの選手村の跡地に作られた「晴海フラッグ」の中でも、高い競争率となった人気の高層マンションを調べてみると、購入者の4割は法人で、同じ法人が8戸所有しているケースがあることが分かりました。

■住人「人だらけというわけではない」

晴海フラッグ この記事の写真

 1月から入居が始まった「晴海フラッグ」。レインボーブリッジのすぐ目の前、豊洲と築地に挟まれた四角いエリアに「晴海フラッグ」はあります。

 10年前は更地だった場所が、「分譲」と「賃貸」合わせて23棟のマンションが建ち並び、5600戸以上、1万2000人が暮らす予定です。

 元はといえば、ご存じの通り、東京オリンピックで、各国の代表団が寝泊まりする「選手村」でした。

26日には、“まちびらき”も

 26日には、ついに“まちびらき”となりました。29日、住人に話を聞きました。

住人(30代)
「そんなに、まだあんまり。人だらけというわけではない」
「(Q.隣の人の音など生活感は?)全然ないですね。エレベーターもすぐ来るし」 電気がついていない部屋も

 たしかに、29日は暑くなるぐらいの快晴でしたが、洗濯物を外で干している人は“わずか”です。

 29日午後10時ごろに再び訪れると、電気がついていない部屋も多くありました。

 人の気配がしない…?一体、何が起きているのでしょうか。

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■ある1棟の登記簿を調査…4割が“法人名義”

■ある1棟の登記簿を調査…4割が“法人名義”

登記簿で持ち主を調査

 「晴海フラッグ」の中の1棟について、登記簿で、それぞれ持ち主がどうなっているかを調査。すると、見えてきたのは…。

 結果は、全150戸のうち4割を超える62戸が“法人名義”となっていたのです。

全150戸のうち62戸が“法人名義”

 種類は「株式会社」や「合同会社」など。所在地も様々で、福岡県のA社は8戸を所有、千葉県のB社も6戸所有していました。

 他にも3戸や2戸など、1社で同じ棟に複数所有している企業が相次いでいます。

5戸以上を購入した企業の代表(60代)

 なかなか取材に応じてもらえないなか、5戸以上購入した企業の代表が、匿名を条件に、話を聞かせてくれました。

5戸以上を購入した企業の代表(60代)
「緑越しのレインボーブリッジなので、ここしかない眺望ではあります」
「災害などが起きた時(用)に蓄電池があって。しばらくの間は、こちらで生活ができる」

 ここには現在、誰も入居していないといいますが、なぜ何戸も購入したのでしょうか?

5戸以上を購入した企業の代表
「間違いなく安いというのは分かっていたので、どの部屋を買っても正解だったんだろうなと。その坪単価は安いって。入れられるだけ(注文を)入れる状態だった」

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■5戸以上購入した企業の代表「“宝くじ”感覚」

■5戸以上購入した企業の代表「“宝くじ”感覚」

東京23区の新築マンション価格(平均)

 2019年に販売を開始した「晴海フラッグ」。最寄り駅から徒歩20分という遠さや、引き渡しもオリンピックが終わってから数年後ということで、安いところは5000万円ぐらいから。平均価格帯も8000万円ほどで、売り出されました。

 しかしその後、日本の不動産市場に異変が起きます。

転売で、数千万円の利益が出るチャンスが到来

 マンション価格は平均でも1億円を超える状況に。結果的に「晴海フラッグ」を買ってすぐ転売するだけでも、数千万円の利益が出るチャンスが到来。

 しかも1人が購入できる数に制限はなく、資金さえあれば、何戸でも申し込みが可能だったのです。

5戸以上を購入した企業の代表
「ネットで(申し込み)するだけなので。本当に“宝くじ”感覚」
「(Q.法人が4割になっている状況は?)多いですけどね。自由なマーケットの中で売ったら、そうなったというだけなんでしょうけど」 競争倍率の推移

 実際、「晴海フラッグ」の競争倍率の推移を調べると、販売当初は平均で2.5倍だったものが、2022年の夏ごろから一気に増え始めて、去年は70倍以上に。部屋によっては、最大で266倍というところもありました。

 その影響を大きく受けたのが「個人」で申し込んだ人たちです。

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■申し込み10回…すべて“落選”した人も

■申し込み10回…すべて“落選”した人も

10回落選した人(30代)

 この男性は、これまで10回申し込み、すべて“落選”しました。

10回落選した人(30代)
「途中から、自分自身も家に申し込んでいるのか、何を買おうとしているのか分からなくなるぐらいの倍率だった。今の家が手狭なもので、広い家に引っ越して、『ここで暮らすんだよ』みたいな生活を(子どもに)させてあげたかった」 過去の別のケースでは「購入できる数の制限」や「転売禁止」のルールが設けられたことも

 元々、この土地は東京都のものですが、過去の別のケースでは「購入できる数の制限」や「転売禁止」のルールが設けられることもありました。

10回落選した人(30代)
「もっと早く、何らかの対応をしていただけたら良かった。(投資目的で)買った方というよりも、ルールを定めた方に『それで良かったんですかね?』みたいな気持ちはある」 東京都 都市整備局 市街地整備部 井川武史部長

 今回の抽選方法は、適切だったのでしょうか。東京都は、こう述べます。

東京都 都市整備局 市街地整備部
井川武史部長

「非常に短期間の間に、急激なマンション販売を取り巻く環境の変化があった。(当初は)供給戸数に対して申し込みが下回る状況があったので、“転売”などの部分に対して、対策が必要という認識には至っていなかった」 「タワー棟」の販売分に条件を追加

 その後、現在建設中の「タワー棟」の販売分については、“ひとり2戸まで”という条件が追加されました。

井川部長「効果が確認できた対策をしっかり取っていく」 井川部長
「まだ、タワー棟の販売が残っていますので、効果が確認できた対策をしっかり取っていく」

(「グッド!モーニング」2024年5月30日放送分より)

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