今、ニンジンがトリプルパンチを受け、異例の高値となっています。高騰しているのはニンジンだけではありません。バナナもピンチなんです。
■「仕入れ値2倍超」カレー店悲鳴
カレーに欠かせない食材、ニンジン。東京・神田のスープカレー専門店では大きくカットしたニンジンが好評です。店では週に300本のニンジンを使っています。ところが今、仕入れ値が2倍以上に値上がりしています。
スープカレー カムイ オーナーシェフ 諸橋カムイさん
「ニンジンはメイン食材の一つなので高騰すると本当に困る。今までは1本45円、安い時は35円だったが、ここ数週間は100円、大打撃」
そのため苦渋の決断に。ニンジンの高騰を受け、今月からスープカレーの値段を150円値上げしました。
諸橋カムイさん
「コロナの時ですら(カレーの)値段を上げなかったが、今回はさすがにニンジンの値段が上がったので、全体的に値段を上げた」
■青果店も驚き「30年で1番」
食卓に欠かせないニンジン。家計に大きな影響が。都内の青果店では15日、徳島県産のニンジンが100グラムあたり28円。平年の2倍近くにまで値上がりしています。
大権商店 店主 森輝夫さん
「ニンジンは、僕が店を始めてから一番高値になっている。今まで、この値段は経験したことがない」
「30年で1番の高値だ」と驚きを隠せません。ニンジンの卸売価格は、13日には1キロあたり292円まで上昇。平年の2倍に及んでいます。
60代
「ニンジンもキャベツもレタスも皆、今、高い」
■ニンジンが高騰“トリプルパンチ”
戸張農園 戸張恭隆さん
「まだ芽が出たばかりだが、こちらがニンジンの畑」
ニンジンの生産量が全国2位の千葉県。畑を見ると、ニンジンの芽が出たばかりです。
戸張恭隆さん
「ちょうど関東はニンジンが切り替わった時期で、関東地方には今、ニンジンがない」
関東ではニンジンを育てる時期が「冬」と「春」の2回です。この農家では「冬ニンジン」の出荷が13日で終了しました。
価格高騰の要因は3つあるといいます。1つ目は、冬ニンジンの「出荷量が減少」したことです。
戸張恭隆さん
「関東地方は8月の中旬くらいに種をまく。去年の夏がとても暑くて雨も全然、降らなかったので発芽率がすごく悪かった。関東地方のニンジンがまず少なかった」
2つ目の要因は、暖冬の影響でニンジンの生育が早まり、「出荷が前倒し」になったこと。2月には、すでに品薄傾向だったといい、その頃から高騰しているのが分かります。
3つ目は、「産地リレーの異変」です。「春ニンジン」の出荷量が全国1位の徳島県では、すでに3月から出荷が始まっています。ところが、4月上旬の出荷量は平年に比べ、2割減少。種まきをする11月に徳島では平年の2倍近くの雨が降り、作業が滞ったことが影響しているといいます。
戸張恭隆さん
「(現在は)ニンジンの絶対数が少ないので、5月、6月くらいになってくると安定してニンジンの生産量が増えてくると思う」
■バナナが高い!「高級な果物に」
“よく食べる果物”ナンバー1に19年連続で選ばれているバナナにも値上げの波が…。
森輝夫さん
「去年、おととし100円くらいで買えたのが今年は148円。2、3割、値段が高騰。輸入物のバナナは円安の影響をもろに受けて、庶民的な果物から高級な果物に変わってきている」
70代
「困るよね、年金生活だから」
■円安で価格高騰…専門店“悲鳴”
円相場153円台と、止まらぬ円安の影響で輸入バナナが高騰。系列店も含め、一日1000本のバナナを使う専門店では…。
そんなバナナ 野田枝里CEO
「厳しい。“そんなバナナ”ですよね。厳しい。今は(値上げせず)もうちょっとギリギリまで頑張りたい」
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