各地で桜が満開から散り始め、となっていますが、散った桜の花を有効活用しようという取り組みが始まっています。
大阪の毛馬桜之宮公園。4月14日、桜は花が散り、若葉が目立っていました。今年もそろそろ見納めです。訪れた人は…
「若干咲いているからよかったなっていう」
「ギリギリ行けてよかったなって感じです」
「葉桜だけどまあまあ。これで最後です」
散る様も美しい桜ですが、その花びらが“ある困りごと”につながっているといいます。1000本以上の桜がある京都府京田辺市の椿本チエインの工場では…
(椿本チエイン京田辺工場 大崎貴史総務課長)「散った後の花びらの掃除というか、集めた桜がごみになってしまいますので、それが毎年なかなか処分に困ると」
毎朝清掃していますが、30分足らずで箱いっぱいの花びらを回収。ただ、散った桜の花びらを有効活用しようという動きもあります。
(記者リポート)「ごみになってしまう桜を使って新たな素材をつくる取り組みが始まっています」
開発している大阪の企業「関西ユアイノベーションパートナー」を訪ねました。
(関西ユアイノベーションパートナー 酒井勇輝社長)「桜の花びらをベースとした『桜チック』という素材を開発しております。花びらを樹脂に混錬させて開発した」
この会社は、企業や自治体が処分する予定だった桜の花びらを、プラスチックに混ぜて新たな素材開発に取り組んでいます。
(酒井勇輝社長)「(Q桜チックにぽつぽつ入っている茶色いものは何?)花びらの繊維でして、桜チックに関しては着色をいっさいしていないんですね。(Q桜本来の色?)そうです」
桜の花びらを有効活用するとともにプラスチックの魅力も高めることができ、一石二鳥の取り組みだといいます。
桜の花を使ったプラスチック素材の開発は、世界で初めてだということで、つくり方は特殊です。花びらをそのまま使うと、劣化して変色するため、特殊な機械で「フリーズドライ」の状態に加工します。
それを今度は樹脂を加工する工場へ。プラスチックを溶かして、桜の花を混ぜると…わずか数十秒で鮮やかなピンク色に。今後はアクセサリーや食器に加工し販売する予定だといいます。
(酒井勇輝社長)「(ごみになる桜の花を)素材化というところで価値をつけて、日本のモノ作りが、より価値のあるものに変わればいいなと思っております」
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