秋田県三種町で観葉植物の苗の生産を始めた新米農家がいる。大好きな植物を多くの人に届けたいと、たった一人で挑戦を始めた男性を紹介する。

住宅が立ち並ぶ一画にある1軒のガラス温室。約6坪の室内では「カラーリーフ」と呼ばれる観葉植物の苗が栽培されている。

カラーリーフは、主に花と一緒に寄せ植えなどで使われる植物だが、さまざまな色や形があり、単体で飾っても楽しむことができる。

そのカラーリーフの生産・販売を三種町で行っているのが坂本永遠さん(20)だ。

 坂本永遠さん:
「三種町は自然が豊かということもあって周りに植物がたくさんあるので、そういったところから興味を持った」

幼い頃から自然の中で草花に触れてきた坂本さんは、将来の道として農業を志すようになった。高校時代はコメ作りや農作物の販売方法などを学び、卒業後は花や木の苗を生産する会社に就職した。社会人として働く日々の中で「起業したい」という思いが強くなり、2024年1月に農園を立ち上げた。

 坂本永遠さん:
「自分で植物を一から育てて客に届けたいという思いから始めた。全部、何から何まで自分一人でやらないといけないので、そういったところが少し大変だと思う」

農園は、生まれ育った町内の山本地区にちなんで「山本農園」と名付けた。一人で栽培に取り組むからこそぶつかる課題もあるが、自分のペースで仕事に向き合っている。

 坂本永遠さん:
「土によっては酸性度が強い土もあるので、しっかりと分量を量って石灰などを入れて中和する。その植物によって土の配合を変えて、使い分けている」

現在育てている6種類の苗の中で、坂本さんの一押しを聞いてみると、「ヒューケラのノーザンエクスポージャーシルバーという品種。春にはシルバーがかった葉が楽しめて、夏になると紫がかった灰色に変化する。年中通していろいろな葉の変化を楽しめる品種なのでおすすめ」と紹介してくれた。

山本農園の苗は、4月から地元の直売所やインターネットで販売され始め、早速うれしい反応が届いているようだ。

 坂本永遠さん:
「あんまり売れないんじゃないかなと正直思っていたが、思っていたよりも問い合わせとかが来て、買ってもらっているので、自分でもびっくりしている。『苗を購入して良かった』とか『ものすごく立派できれいな苗で感動した』と言ってくれる人がいて、すごくうれしい」

効果的な育て方を学んだり、どんな観葉植物が人気なのか販売イベントに足を運んだりと意欲的に取り組む坂本さん。今は畑の拡大や農業用ハウスの新設を行い、生産する苗の種類や量を増やすことを目標にしている。

 坂本永遠さん:
「これからも生まれ育った三種町でリーフ類の苗を生産して、より多くの客に届けられるように頑張りたいと思っている」

大好きな植物で多くの人を笑顔に。坂本さんの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

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