大阪市役所前に設置された巨大な「ミャクミャク」像が傷つけられたり落書きされたりする事案が相次いでいる問題で、大阪府の吉村知事は警備対策で「塀や柵をつくる必要はない」とする考えを示しました。

■ミャクミャク像の口に「FREE PALESTINE(パレスチナに自由を)」と落書き

大阪市役所前に設置されている大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」のモニュメントを巡っては、18日朝、口の部分に「FREE PALESTINE(パレスチナに自由を)」と落書きされているのが見つかりました。

17日午後11時ごろに警備員が巡回した際に異常はありませんでしたが、18日の午前5時半ごろに、ミャクミャク像の口の部分にスプレーのようなもので書き込まれた落書きを警備員が発見し、事態が発覚しました。

■「終電を逃しイライラ」3月には顔を傷つけられる

また、ことし3月には、この「ミャクミャク」の顔に複数の傷がつけられているのが見つかっていて、警察は先月、40代の男を器物損壊の疑いで書類送検しました。

男は、調べに対し「終電を逃しイライラしてミャクミャクを傷つけることでイライラを発散してしまった」と容疑を認めています。

■「ミャクミャクの前に高い柵は作らない」と吉村知事

ミャクミャクが傷つけられる事案が相次いでいることを受け、大阪府の吉村知事は20日の囲み取材で記者から「ミャクミャク像の警備体制の強化」について問われた際「ミャクミャクが損壊されたときに、塀を作るかどうかっていう議論があったが、やめておこうということになりました」と話したうえで「大きな高い柵をつくることは、今の段階ではないと思います。多くの人が楽しんで写真を撮られたりもしているので、そこをやめる方が僕はおかしいんじゃないかなとは思います」と述べました。

また、吉村知事は17日に発見された落書きについて、設置された防犯カメラに犯行の様子が映っていると明かしました。

大阪府と市は、警察に被害届を提出し受理されています。

■高校生が作った大作も壊される

「ミャクミャクの破壊」を巡っては、大阪府立港南造形高校の生徒が1年かけてつくりあげ大和川の堤防に飾られていた「陶板画のミャクミャク」の手や目がもぎとられる被害が先月と今月確認されていて、警察が器物損壊の疑いで調べを進めています。

■「みんなに喜んでもらいたくて作っているので、こういう形にされて悲しい」と高校生

陶板画を作り上げた生徒は「みんなに喜んでもらいたくて作っているので、こういう形にされて悲しい」と語っています。


生徒たちは、少しでも壊されにくい形に今後作り直すことを考えているということです。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。