ロシア軍の攻撃を受けた住宅地=ウクライナ東部ハリコフで2024年5月14日、ロイター

 ウクライナ東部ハリコフ州で攻勢を強めるロシア軍は15日、国境から5キロにあるボウチャンスクに進軍した。ロイター通信などが報じた。ウクライナ軍は周辺から部隊を撤退。ゼレンスキー大統領は予定していた外遊を取りやめた。

 ロシア軍はボウチャンスクの制圧を目指しているとみられ、北部で激しい戦闘が続いていた。地元の警察幹部はソーシャルメディアへの投稿で「状況は非常に厳しい。敵はボウチャンスク北部の道路に展開している」と述べた。

 ロイターによると、ロシア軍は14日までに国境近くの10集落を制圧。ウクライナ軍は同日夜、「兵士の命を守り損失を防ぐため」として、ハリコフ州北部の2カ所の拠点から撤退したと明かした。ウクライナ国防省のブダノフ情報総局長は、ハリコフ州に隣接する北東部スムイ州でも露軍が「同じような作戦を計画している」と指摘した。

 ゼレンスキー大統領は17日からスペインとポルトガルを訪問予定だったが、戦況悪化を受けて中止した。【ベルリン五十嵐朋子】

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