ロシア軍が新たに攻勢をかけたウクライナ東部ハリコフ州で、露国防省は12日、新たに国境付近の4集落を制圧したと発表した。ロイター通信などが報じた。ウクライナ軍のシルスキー総司令官は同日、通信アプリ「テレグラム」で、ハリコフ州の戦況は「悪化している」と述べた。
ロシア軍は10日にハリコフ州への進軍を開始し、11日にも複数の集落を掌握していた。シルスキー氏は「ウクライナ軍は防衛線を守るために全てのことをしている」と強調した。ウクライナメディアによると、ウクライナ国防省情報総局の報道官は、ロシア軍はハリコフ州への攻勢のために首都モスクワや北西部サンクトペテルブルクの軍管区から兵士を動員したと分析した。
一方、ウクライナ国境に接するロシア南部ベルゴロド州で12日、10階建ての集合住宅の一部が倒壊した。タス通信などが報じた。同州のグラトコフ知事は、通信アプリに「ウクライナ軍から大規模な砲撃を受けた」と投稿。露非常事態省は同日、住宅の倒壊により、少なくとも13人が死亡したと発表した。がれきの下に人が埋まっている可能性があるといい、死者数はさらに増える恐れがある。
露国防省は、ウクライナ軍が短距離弾道ミサイルなどでベルゴロド州を攻撃したと主張。撃墜したが、ミサイルの破片が集合住宅に損傷を与えたという。攻撃について、ウクライナ側はコメントしていない。【ベルリン五十嵐朋子】
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