米共和党のニッキー・ヘイリー元国連大使=2024年3月4日、AP

 米ニュースサイト「アクシオス」は11日、共和党のドナルド・トランプ前大統領(77)の陣営が、11月の大統領選の副大統領候補としてニッキー・ヘイリー元国連大使(52)の起用を検討していると報じた。トランプ氏は自身のソーシャルメディアで「検討対象になっていない」と即座に否定したが、政治的な利害は一致するだけに今後の動向が注目される。

 ヘイリー氏は党候補指名争いで、トランプ氏に反感を持つ党穏健派から支持を集め、首都ワシントンや東部バーモント州の予備選では勝利。3月に選挙戦から撤退した後も、各州の予備選で2割前後の「反トランプ票」を得る例が相次いでいる。トランプ氏への支持は表明しておらず、支持するかは「トランプ氏次第だ」とする立場をとっている。

 トランプ氏にとっては、課題である党穏健派、女性、高学歴層、人種的少数派(マイノリティー)への支持拡大に向けて、インド系の女性であるヘイリー氏を起用する利点がある。ヘイリー氏についた大口献金者の資金力も魅力だ。一方、ヘイリー氏にとっては2028年の大統領選に向けて「ポスト・トランプ」の地歩を固めるチャンスでもある。

 米メディアによると、トランプ氏の陣営は、正副大統領候補が正式に指名される7月の党全国大会の直前まで検討を続ける方針だ。黒人のティム・スコット上院議員(58)、中南米系のマルコ・ルビオ上院議員(52)、女性のエリス・ステファニク下院議員(39)やサラ・サンダース南部アーカンソー州知事(41)、若手のJ・D・バンス上院議員(39)、資産家のダグ・バーガム中西部ノースダコタ州知事(67)らの名前が取り沙汰されている。【ワシントン秋山信一】

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